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「鷲と鷹〈1957年〉」(1957)

【DVD発売中】

80点80
井上梅次が石原裕次郎と三國連太郎の初顔合わせで監督した海洋アクションの力作。貨物船“海洋丸”に、船長を父の仇と狙う若者と、保険金目当ての偽装沈没計画をかぎつけた刑事が、ともに水夫に化けて乗り込んでくる。二人は反目しあいながらも最後は協力して危機を乗り越える。井上梅次監督がボクシング映画の秀作「勝利者」に続いて演出した石原裕次郎主演作である。井上監督は裕次郎と二人の女の三角関係、三國連太郎との重量感あふれる殴り合い、そしてクライマックスのロケ、セットを巧みに併用した大暴風雨シーンと盛りだくさんの内容で、一級の娯楽作品に仕上げた。特に当時、東洋一の設備を誇った新設ステージにおける日活特撮陣入魂のスペクタクル・シーンは迫力十分で、この後、日活でこの種の大規模な海洋アクション映画が作られなかったのは惜しまれる。裕次郎は名優・三國を相手に堂ーたる主演ぶりを見せ、「俺は待ってるぜ」を経て井上監督による「嵐を呼ぶ男」のドラマー役で国民的大スターに成長する。

あらすじ

深夜の波止場で、貨物船「海洋丸」の機関長が殺された。シンガポールで買ったナイフで刺されたことだけ判った。出航間際二人の新入りが乗込んでくる。「陸のあばれ者」千吉と佐々木である。もう一人、鬼の鮫川船長の一人娘明子も、一人では淋しいと船長室に泊ることにする。佐々木は目つきが鋭く、千吉はふてぶてしい男だ。その態度に怒った狂暴な松は、ナイフを光らせて突きかかる。佐々木の仲裁で喧嘩が収った時、甲板で女の密航者朱実が捕まった。彼女は惚れた千吉を追ってきたのだ。清純な明子もいつしか男らしい千吉に魅かれていく。ある夜、朱実は松に襲われるが、千吉が救い、松を完全にノス。朱実の持っていた一枚の新聞から船長は機関長殺しの犯人は千吉だときめつける。機関長の息子吾郎は船長から親の仇を打てとそそのかされるが、その気にならぬ。千吉に殺人の理由をきくと−−二十年前海洋丸を買った三人(船長、吾郎の父、千吉の父)が仲間割れし千吉の父が他の二人に殺されたからだという。今度は船長だ。吾郎は復讐の無意味さを説くが、千吉は納得できぬ。が、明子の明るい姿に接するうち、次第に千吉の荒んだ心も和らぐ。復讐の誓もグラつき始めた。朱実は千吉と明子の間を嫉妬し、猟銃で狙うがどうしても撃てなかった。そんなある日、船荷が全部ニセ荷であることが判明する。船長の航海サギだ。嵐の夜、激浪に呑まれた吾郎と佐々木は千吉に救われたが、船長は水死した。千吉は実は刑事の佐々木に自首を誓うが、船が門司に着いた時、佐々木は千吉と朱実を二人だけで降りて行かせる。甲板では明子が涙で見送っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1957年
製作国 日本
配給 日活
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