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「盲獣」(1969)

【DVD発売中】

74点74
江戸川乱歩のマゾヒズム小説を増村保造が監督した異色極まりない怪作。モデルのアキは、ある日突然盲目の男に誘拐され、巨大な女体像のある倉庫の一室に監禁される。男はアキをモデルに彫像を作り始める。最初は拒んでいたアキも、いつしか男との暗闇の中でのマゾヒスティックなセックスに没入していく。

あらすじ

ファッションモデルの島アキは、自分のヌード写真が展示してある写真個展会場で、奇妙な男を目撃した。彼は、アキをモデルにした石膏裸像を丹念に撫で廻していた。それから数日後、アキは、呼んだマッサージ師にクロロホルムを嗅され、誘拐された。連去った男、蘇父道夫は先天的な盲人だった。彼にとって、この世で一番素晴らしいものは女体でありその彫刻に投入するかたわら、理想の女体を追い求めていた。そして、探りあてたのがアキだった。意識を取戻したアキは、目、口、鼻、乳、手、足など無数に並べられた異様なアトリエに鷲いた。この奇怪な密室で恐怖の一夜を過したアキは、彫刻が完成したら釈放することを条件にモデルを引受けた。監禁に耐えられなくなったアキは、仮病を使って脱出を企ったが、しのに発見されてしまった。やがてアキは、道夫が母親のしのと、異常なまでに強く、愛情で結ばれていることに気づいた。アキは、食事を共にし、愛を囁き、意識的に道夫に接近した。その行為は、しのを嫉妬させ、アキを追いだそうとしたが逆に道夫に殺された。その時アキは逃げようとしたが、道夫に行手を阻まれた。母を殺すことによって、母から開放された道夫は、アキを獣のように犯した。アキは道夫の復讐を受けながら、自分の愛を求めようとしている彼の気持を受けとめた。二人はやがて、甘美な触覚の世界に投入していった。より大きな歓喜を求める二人は、より危険な刺激を求めた。お互の体を噛みあい、傷つけあう二人は、やがて歓喜と苦痛の呻き声を発して息絶えていった。触覚の世界の果てにあったのは、暗い死の世界だった。二人が死んだ後のアトリエには、手足を切りとられたアキの彫刻が、哀しげに笑っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1969年
製作国 日本
配給 大映=大映東京
上映時間 84
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