閉じるボタン

「裸の島」(1960)

画像

【DVD発売中】

82点82
瀬戸内海に浮かぶ周囲約500メートルの小島に千太とトヨ夫婦、彼らの二人の子供が生活している。島には段々畑があって夫婦は夜明けから日没まで黙々と畑仕事に励む。島には水がなく、大きな島から桶に水を汲んでは小舟で運び、畑に水をかけねばならない。日射しが強く土は水を一瞬にしてすい込んでしまう。自然と闘いながら生きていく人間の姿を描く新藤兼人の詩編。スタッフ、俳優全10数名の小さな撮影隊が瀬戸内の小島にこもり、主人公たちのように黙々と撮影を続けていった。セリフをいっさい排し、映像だけで語るというサイレント映画的な実験意欲に満ちた作品。黒田清己の撮影、林光の音楽も素晴らしい。

あらすじ

瀬戸内海の一孤島。周囲約五〇〇メートル。この島に中年の夫婦と二人の子供が生活している。孤島の土地はやせているが、夫婦の県命な努力で、なぎさから頂上まで耕されている。春は麦をとり、夏はさつま芋をとって暮す生活である。島には水がない。畑へやる水も飲む水も、遥るかにみえる大きな島からテンマ船でタゴに入れて運ぶのだ。夫婦の仕事の大半は、この水を運ぶ労力に費いやされた。子供は上が太郎、下が次郎、太郎は小学校の二年生で、大きな島まで通っている。ある日、子供たちが一匹の大き鯛を釣りあげた。夫婦は子供を連れて、遠く離れた町へ巡航船に乗っていく。鯛を金にかえて日用品を買うのだ。暑い日の午後、突然太郎が発病した。孤島へ医者が駈けつけた時、太郎はもう死んでいた。葬式が終り、夫婦はいつもと同じように水を運ぶ。突然、妻は狂乱して作物を抜き始める。訴えかけようのない胸のあたりを大地へたたきつけるのだ。夫は、それをだまってただ見つめている。泣いても叫んでも、この土の上に生きてゆかねばならないのだ。灼けつく大地へへばりついたような二人の人間は、今日もまた、明日もまた、自然とはげしくたたかっていくのである。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 近代映画協会
チケット 前売りチケットを購入する

監督

キャスト

もっと見る