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「四谷怪談・前篇/後篇」(1949)

【DVD発売中】

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木下監督は、鶴屋南北の原作にかなり手を加え、お岩の亡霊は伊右衛門の良心の呵責による妄想だという新解釈を与えている。また、この作品を日本の伝統的な絵巻物という視点で捉え、全編を俯瞰撮影の長回しで撮った異色作品。

あらすじ

お岩が茶屋女として暮した時に知り合った民門伊右衛門は、彼女を妻として迎えてみたものの、今では仕官の口を探しながら、カサ張りを内職に暮さなげればならなかった。お岩にしてみれば過去の陰惨な生活を一日も早く拭い去ろうとして、また伊右衛門の良き妻になろうと努力していた。お岩にはお袖という妹があったが、お袖は反物を売りさばく与茂七という夫があり、貧しいながらも幸福な日々を暮していた。しかし姉のお岩と伊右衛門の間に何にかしら割り切れないミゾがあった。伊右衛門は気の弱い気性を押して毎日仕官の口を探していたが、ある日一寸したことで一文字屋喜兵衛の娘お梅とその侍女お槙を救ってやった。それを見ていた牢破りあがりの直助は早速悪智恵を働かせてお梅と民門伊右衛門の間を取り持った。伊右衛門を恋慕するお梅と仕官が定まる形勢を感じた彼は少なからず動揺したが、お岩の純情さとふとしたことから流産した彼女の身辺を気使うのである。一方直助と同じ牢暮していた小平はお岩をそれとなく恋する余り、遊び使いその果ては正直ものの性格が一変してしまった。彼はお岩のためならばどんなことでもやってのけるという恋に狂う心を一人彼を待つ母をもかえりみなかった。直助は考えた。小平が自分の秘密をにぎっている、それに伊右衛門の妻お岩を恋している、お岩は全然小平を相手にしない、伊右衛門はお梅をめぐって迷っている、これに目をつけて直助は伊右衛門をそそのかし始めた。お梅の侍女お槙は直助といい仲であるので直助は植木職を利用して事を運んでいった。ふとしたことからお岩は顔に火傷をして良薬だと言って直助のくれた薬を塗るとますますひどくなった。お岩は伊右衛門にきらわれまいとせつせつと薬を飲むのだが、その薬こそ直助が計って伊右衛門に盛らせた毒薬であった。遂にお岩は火傷の顔を気ずかいながら絶望しつつ悶々のうち断末魔を叫びつつ死んでゆく、その場に現われた小平も伊右衛門に斬られ殺されてしまった。表面は小平とお岩の情死としてうまく取り計らった伊右衛門は直助のかん計に引きずり回され、お梅と祝言を交わし、仕官する、お袖は姉のお岩の死因を知る由もなく、姉が不義を犯して死んだとばかり思い込んでいた。伊右衛門は時がたつにつれて、あの悲惨なお岩の姿が消し飛んでいった。直助も伊右衛門の従ぼくとして働くようになった。一文字屋喜兵衛は良いむこ殿を選んだと大喜びであった。とある日直助と夜づりに出かけた伊右衛門は、ふとつり上げた古い板割れを見て不義の名を押しつけたお岩と小仏小平の幻影を見た、それ以来伊右衛門はお岩の亡霊や火の玉、ネズミ、長虫の錯覚に悩まされ、幸福に暮していた伊右衛門とお梅との間に気まずい思いが流れ始めた。彼は悩みやつれてお岩の墓を時折尋ねた、お袖はこれを知って彼を慰め励ますのであるが、伊右衛門は姉お岩とうり二つのお袖を見ると、彼女に恐怖を抱くようになり、遂に殺害を計り直助が盛ってくれたあの毒薬を自ら作ってお袖にのまそうとする。ちょうどそのころお袖は与茂七との間に可愛いい男の子が生れ、幸福そうな日々を暮していた。伊右衛門はいまや幻想にとらわれ、お岩とお袖の見境を失い、頭は錯乱して遂に気が狂い、自ら盛った毒薬をのみ自殺してしまう、これを聞いた直助はお岩の姿を眼の当り見る思いで木から落ちて無惨にも墜死する。お袖はお岩と伊右衛門との間の宿命的なものを感じ、お袖自身施主となりお岩と伊右衛門の霊を弔うべく二つの燈ろうに燈をともし流れゆく二筋の水路を、良人与茂七と愛児を抱いていつまでも見送っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1949年
製作国 日本
配給 松竹京都
上映時間 158
カテゴリ ホラー
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