閉じるボタン

「わたしの名は情婦」(1949)

0点--
麻薬強盗犯とは知らずに高田を愛した妙子は、彼の逮捕とともにスキャンダルの渦中に放りこまれてしまう。新聞記者の中野は自分のスクープから妙子が身を落としていくのに責任を感じ、彼女に力を貸すのだった。戦前は時代劇を得意としていた森一生が、戦後の占領軍の方針で作った一連の現代劇の中の代表作。鋭い切れ味の演出が光る。

あらすじ

安原妙子は、愛し信じていた高田に見事に裏切られた。知らなかったのだ、高田がそのころ阪神界わいに恐怖をあたえていた麻薬強盗であったことを−−。そのときから、妙子は悲しい運命のどん底につきおとされた。高田があがったとき、一せいに妙子のことをとりあげた各新聞社の記事が、女なるが故に興味と好奇心に満たされて人々に読まれ、妙子を一そう苦しみの中へつきおとした。毎朝新聞記者中野は、商売とはいいながら、他社の記者と競って妙子の記事をとったことになにか割り切れぬにがい思いをした。このままではきっとあの女はどん底に落ちる。何んとか助けたい。その気持ちが彼を、いとこの営む琵琶湖のほとりの静かな養魚場に向わせた。そこで中野はいとこの谷川とその妻規子を説いて妙子に安住の地を与えたいと願う。谷川はこころよく承知して中野はとぶように大阪へ帰った。だたさがす妙子は場末のダンスホールで、狂ったように酒をあおる身となっていた。中野はようようにして妙子をどろ沼からひきずり出し、谷川の養魚場へつれてきた。はじめて澄んだ空気と清らかな水に、そして中野のかざらぬ親切に、妙子は憩いの日を見出した。だがそれも束の間ある日規子のところへ中野のためにと持込まれた縁談に、規子はすっかり乗気になり大阪へ出かける。妙子は何かクッと胸をつかれた思いだった。妙子には、今中野の姿こそが一つのきづなだったのだ。大阪から帰った規子は中野にまかせられたといって、よろこんで先方へ出かけた。妙子は何も彼も希望を失い再び飛び出す決心をした。谷川はそれを抱きとめて心を落ちつかせようとする。そこへ出かけたばかりの規子がもどって、抱きあっている二人をみた。規子のヒステリックな怒りは谷川の弁解も聞き入れず、妙子をののしり、中野に「スグコイ」と電報を打った。翌日中野が養魚場へくる前、妙子は谷川からまちの組合へ届けるように依頼された大金をもったまま出ぽんした。だが中野は知っていた。妙子のほんとの気持を−−。すぐ大阪へとって帰した中野は、場末ののみやで酒をあおる妙子をみつけた。「ばかだな、規子さんには冗談をいったのに、それが通じないんだ。君はぼくのいい女房になってくれよ」……。妙子のひとみからみるみる涙があふれてくずれるように中野の胸に抱かれるのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1949年
製作国 日本
配給 大映京都
上映時間 87
カテゴリ 仁侠/時代劇
チケット 前売りチケットを購入する