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「霧の中の男」(1958)

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石原慎太郎の原作・脚本を蔵原惟繕が監督した日活アクションの一編。捕虜収容所での生活から賭博場荒らし、殺し屋という道を歩んだ男の数奇な運命を、回想形式で綴る。葉山良二がギャング役に初挑戦。情婦に扮する左幸子が日陰の女の哀しさを好演している。影を巧みに使った画面構成が秀逸。

あらすじ

霧の深いある真夜中のスタンド、死にひんした水原は、自分の怪奇な運命を思い起すのだった。−−敗戦、水原は戦友の三村と一緒に捕虜収容所に入れられた。間もなく、三村は逃亡を企て成功した。水原は逃亡の手助けをしたと見なされ、坑道に押しこめられた。彼はこの時から人間としての感情を失くしたのだ。やがて帰国、そして賭博場荒しというすさんだ生活を送るようになった。彼はそこで三村と出会った。三村は山形という男の下で働いていた。水原も山形の下で働くようになった。水原はそこでエマという女を知った。エマは三村の情婦であり、山形の秘書でもあった。三村はエマとの結婚のために、この世界から足を洗いたいと思っていた。山形は三村を殺すことを、水原に命じた。水原は冷酷に射殺した。その頃から水原の生活はさらに荒れていった。憎しみも愛もなく、ただ山形の命令だけでつぎつぎと人を殺した。相棒は中村という男に変っていた。ある日、中年夫婦の殺人を山形から命じられた。無造作に惨殺をし終えた水原と中村は、待たせておいたセダンに乗りこんだ。だが、水原は車にエマがいたことや、中村の挙動の不審さから自分も三村の立場におかれていることを悟った。車が故障していたので、三人はタクシーを拾って町へ向ったが、ガソリンがきれた。水原はエマからガソリンスタンドの所在を聞くと、エマを連れてスタンドに向った。そこに三村という青年と恋人の幸子がいた。青年は三村の弟だった。水原は拳銃を渡したが、三村の弟はなぜか水原を射つことができなかった。が、この時銃声が轟いて水原は倒れた。エマが射ったのだ。エマは「いつかは山形に殺されるあなたを、誰の手でもなく私の手で射ってあげたかったのよ」としゃべった。この声を聞きながら、水原の怪奇な運命も脳裡から消えていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1958年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 93
カテゴリ アクション
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