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「潮騒〈1954年〉」(1954)

60点60
三島由紀夫の古典的青春小説を、谷口千吉監督が久保明、青山京子主演で映画化した青春映画。伊勢湾の小島を舞台に、りりしい漁師の若者と、美しいアワビ採りの娘との運命的な結びつきが描かれる。当時流行していた性典ものや思春期ものとは、一線を画す格調ある青春もので、三島由紀夫の理想主義的な青春像を、谷口千吉監督がツボを押さえた演出で映像化した。主役の若い男女に扮する久保明と青山京子は、ともに初々しい演技で好感が持て、完倉泰一の現地ロケーションによるカメラも効果を上げた。三船敏郎が若い二人を見守る船長役で特別出演。なお、この原作は、1964年・1971年・1975年・1985年と5度映画化されている。

あらすじ

伊勢海にある歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。久保新治は、船に乗って働き、母と弟と三人暮しの家計を助けていた。ある日夕暮の浜で、彼はふと見知らぬ少女を見かけたが、何故かその夜はいつになく寝つきが悪かった。翌日彼が船できいたところによると、この少女初江は頑固で金持の宮田照吉の末娘で、他所にやられていたのが、婿取りをするために呼び戻されたのだという。その後新治は山のなかで、道に迷った初江に再び出会った。それは秘かなそして楽しい出会いだった。だが暫くして、新治は島の名門の息子である川本安夫が初江の入婿になるという噂を耳にした。そして砂浜で初江に会った機会に、彼はこの真偽をたしかめたが、笑って否定する初江だった。新治は我知らずその唇に触れてしまった。斯うしてたまの逢びきをしている間、ある時、砂浜で裸になった二人はそのまま熱情的に抱き合うのであった。初江は新治の嫁になるのだと云い張ったが、それ迄はと最後の一線だけは守っていた。一方、東京の大学に行っている燈台長の娘千代子は、休みで帰省していたが、心を寄せていた新治が初江と一緒にいるところを目撃し、それを安夫に告げてしまった。嫉妬にかられた安夫は、ある夜、初江を襲ったが、偶然とんできた蜂に妨げられて果さなかった。だが照吉は二人の結婚には固く反対していた。やがて新吉と安夫は島の青年達の憧れの的である歌島丸に乗りこみ、訓練を受けることになった。ズボラな安夫に対し、誠実な新治は、暴風雨のために切れたワイヤーを直すために命を賭して怒涛の中に飛びこんだ。船が帰ってきたとき、この働きぶりは照吉にも知れ、二人は遂に晴れて結ばれることになったのである。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1954年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 96
カテゴリ ラブ・ストーリー
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