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「地底の歌」(1956)

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今は群衆を痛めつける都会のダニでもあるが、心の奥底には悲哀や情感もある東京の伝統ある侠客・伊豆一家を中心に、ヤクザと賭博の世界を描いた作品。新聞に連載されて話題を呼んだ平林たい子原作の映画化で、石原裕次郎が初々しい演技を披露。

あらすじ

江東の伊豆一家は、東京中でも伝統ある侠客。昔は知らず今はショバ屋、プーパイなど、群衆をいためつける都会のダニでもあるが、心の奥には地底行く人の悲哀や情感もあった。伊豆親分、その愛娘トキ子に見染められた子分鶴田光雄にしても又然り。ある日、トキ子は仲間の花子や松江と学校をさぼり、彫物師腕文の許へ刺青を見学に行く。古風な部屋で腕文の施術を受けていたやくざダイヤモンドの冬は花子と互いに惹かれるものを感じる。花子は幼時に母を亡くし、家庭的にも不和。一方、冬は伊豆一家の弟分吉田大竜の身内だった。だが吉田一家は詰らぬことから今では伊豆一家と淋しく張り合う仲。チンピラ故に何も気づかぬ冬は、花子を伴い伊豆の賭場へ顔を出したりする。花子は、伊豆一家の三下、鉄のため成田の飲み屋に売られても、ままよとばかり酌婦となるような性格である。政界の黒幕大山某をめぐり、両家の対立は激化。賭場のいきさつで鉄が冬を殴ったことから血を見るに至る。仕事のつまずきを恐れた親分の命で、話をつけに冬を訪れた鶴田は、彼の姉で初恋の女辰子に出会い、互いに想いをつのらせる。だが二人の間には、吉田一家の身内で辰子の亭主おかる八の眼が光り、加えて成田へ花子を探しに行った鶴田は八のイカサマで文なしとなる。こうした矢先、鬼若の賭場で因縁をつける目黒を斬った鶴田は自首。縄張りは伊豆親分のものとなったが、留置場の鶴田は今迄のやくざ生活を反省しだす。一方、吉田にそそのかされた冬の手で伊豆親分は殺害。通夜の時、今は老人の二号となっている花子も訪れて来た。彼女は応接間に懸る“やくざ渡世の行きつく先は監獄への赤い着物か、死出の白装束”という額を瞳を凝らして見詰めていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 89
カテゴリ 人間ドラマ
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