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「風と女と旅鴉」(1958)

100点100
加藤泰監督による股旅時代劇。島帰りの中年ヤクザ・仙太郎とチンピラヤクザ・銀次が、奇妙な友情を感じ合い、銀次の故郷へ戻ってきて巻き起こす騒動を描いている。銀次はその故郷の村で、かつて父母を悲惨な死に方で亡くし、追われるように村を去ったのだが、帰ってきた銀次を迎える村人たちの目は冷たい……。中村錦之助をはじめ出演者全員がノー・メイクの素顔で登場し、全場面がアフレコいっさいなしの同時録音。加藤監督のありのままの自然さを追求しようとする意気込みがうかがえる。仙太郎に扮する三國連太郎が、いつも銀次に村の人たちと仲良くすることを諭す、苦労性の渡世人を渋い味で好演。錦之助も、ひねくれた若者の姿を見事に演じていて、白塗りのない素顔で、いたずらっぽくにやける姿が、妙にかわいらしい。加藤監督得意のロー・アングルのカメラが効果を発揮し、叙情的で心温まる作品になっている。

あらすじ

父が残した悪名に追われた銀次が、十年振りに故郷へ帰る道すがら、年輩のやくざ刈田の仙太郎と知りあった。二人は目指す宿場にたどりついたところを強盗と間違われ、銀次は鉄砲に撃たれて甚兵衛の家にかつぎこまれた。仙太郎が甚兵衛の娘おちかに語ったところでは、彼には昔喧嘩で命を落した倅があった。これが銀次に似ていて、何か他人とは思えない。おせんもまた銀次に、ほのかな想いをよせるのだった。銀次の傷がいえると、仙太郎と銀次は両替屋銭屋庄兵衛門の用心棒に雇われたが、悪貸元鬼鮫一家の身内、片目の寅吉、三次が銭屋を強請りに来た。仙太郎は三次を捕えたが、銀次は寅吉をにがし、町の人々から疑いをうける。その上、祭の夜、鬼鮫の半蔵は庄兵衛門を掴え、寅吉、三次のお礼として土蔵から金を頂戴するぞと威した。彼はまた、その場にいた銀次に、お前は五両の金と引き換えに寅吉を逃がしたと素っ破ぬいた。鬼鮫一家は庄兵衛門の倉から、千両箱を引いて行く。それを止めにかかった仙太郎に、半蔵はまた、お前は島帰りの兇状持ちだと、かくれた事実を明らかにした。人々の非難をうけて、遂に意を決した銀次と仙太郎。金がほしければ、指定の一軒家に来いと言った半蔵の申出に、喧嘩支度をととのえる。だが庄兵衛門は仙太郎一人で行けと言う。遂に怒った銀次は、一人で指定の一軒家に走った。これを追う仙太郎は、卑怯な半蔵の飛道具で足を撃たれる。だが、その時銀次の一刀は、半蔵の上にひらめき、仙太郎の危急を救った。人々の疑いが晴れた日、銀次は仙太郎をのこしていずこともなく去っていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1958年
製作国 日本
配給 東映京都
上映時間 91
カテゴリ 仁侠/時代劇
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