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「海は狂っている」(1959)

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主演の川地民夫自身をモデルにして描いたという石原慎太郎の小説『ヨットと少年』の映画化。ヨットハーバーで働く牧夫は大島周航レースに参加し、自分のヨットを持つべく、悪事を働いてまで金を貯めるが、ナイトクラブの女給と知り合い、その金を使い果たしていく。

あらすじ

ヨットハーバーで働く牧夫は、二世のヒガ夫妻の助手として大島周航レースに参加していた。星空の下をシルフ号は他のヨットを大きく引き離して航走していた。交代で舵を取っていた牧夫は不思議な幻覚に襲われた。いつも見馴れている妖精の船飾りが牧夫に微笑みかけているのだ。幻影の怖しさにヒガ夫妻の寝ているキャビンを覗いたが、そこで見てはならぬものを見てしまった。デッキにもどった牧夫の顔に恍惚とした表情に続いて険しい怒りがこみあげた。しかしそれも瞬間のことだった。「そうだ!俺も俺のヨットを持とう、俺だけのヨットを−−」それ以来牧夫は別人のようになった。金を貯め始めた。そのためには手段を選ばなかった。ヨット使用料のピンハネ、船の塗装、ヨット客への恐喝、そんな牧夫を見て恋人の初枝は悲しんだ。しかし牧夫は取り合わなかった。そして初枝の弟の時次と一緒の時だけはいつも明るかった。時次以外とはつき合わないようになっていた。ある時牧夫を仲間の浜口、松川、高田等は無理矢理にナイトクラブへ連れていった。酔いつぶれた牧夫は浜口等の計いで女給春子のアパートに泊った。始めて女の体を知った牧夫は、それから春子に通い続けた。ヨットに貯めた金もなくなる一方だった。そんな牧夫を「不潔よ」と初枝はなじるのだったが、牧夫は平気だった。女も欲しい、ヨットも欲しい。牧夫は金を作るために悪事もするようになった。みかねたヒガ氏が友人のヨットを安く譲り受けてくれた。自分のヨットに牧夫は酔いしれた。時次と初航海を飾り、ついで春子と一日を洋上で過した。牧夫が春子にあまりに夢中なので浜口達が「あの女は俺達を男にした強か者だぜ」と教えた。愕然とした牧夫は春子を恨むより浜口達を恨んだ。そして復讐の機会を狙った。浜口達が嵐の来ることを聞いて冒険の航海に出ることを知った牧夫は、彼等の乗るヨットのメーンステーを、切れるように細工した。数時間後牧夫は狂気の如く荒れ狂う海上に飛び出した。弟のようにしていた時次が彼等のヨットに乗ったことを知ったからだ。やがて嵐の去った海上に一隻の赤いヨットが漂っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1959年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 88
カテゴリ 青春ドラマ
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