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「女囚701号・さそり」(1972)

【DVD発売中】

76点76
とある女子刑務所。けたたましく鳴り響くサイレンが、女囚の脱走を告げた。逃げたのは松島ナミと木田由紀子である。二人はたちまち捕まり、懲罰房に入れられた。かつてナミには杉見という麻薬捜査官の恋人がいた。杉見は悪徳刑事でナミを利用し、私腹を肥やしていた。だまされたことを知ったナミは杉見を襲ったが、致命傷には至らず逮捕されたのだった。復讐に燃えるナミは、刑務所内で女囚たちから“さそり“と呼ばれ、孤立していた。ある日、女囚たちの暴動が起き、ナミも巻き添えを食うが……。当時、新人だった伊藤俊也監督はナミの回想シーンを回り舞台のように映し出したり、赤い照明や隈取りを使って、様式美を大胆に劇画的にデフォルメした演出を展開。また冒頭とラストに日の丸を映し出したり、ナミが杉見を襲うシーンを警察に設定するなど、私怨の物語を権力に対する公的な怨念へと昇華させた。梶芽衣子の歌う主題歌『恨み節』もヒットした。

あらすじ

Y県女子刑務所。けたたましく鳴り響くサイレン、女囚二人が脱走を企だてた。松島ナミ、木田由紀子である。しかし、刑務所々長郷田らの必死の追跡で、脱走は失敗に終る。捕われた二人はイモ虫のように手足を縛られ、懲罰房へ入れられた。身動きのできない状態でナミは過去のことを思い起こすのだった。ナミには麻薬取締りの刑事、杉見という恋人かいたが杉見はナミを麻薬捜査の囮として使い、強姦させたあげく、自分はその現場に乗り込み、麻薬を押収する。そのうえ、その麻薬をネタに麻薬組織海津興行に寝返ったのである。杉見の愛を信じていたナミにとってこの裏切りは許せなかった。翌日、杉見を襲うが致命傷には到らず、その場で逮捕されたのであった。“復讐”という執念に燃えるナミは刑務所内でも異様な存在で、皆から反感を受けていた。ただ、口の不自由な木田由起子だけがナミを慕い近ずいていた。ナミと由起子が懲罰房から解放された頃、新入りの女囚進藤梨恵が入所して来た。梨恵もナミ同様他の女囚たちと肌が合わず対立した。ある日、梨恵は片桐らの企みであやうく無実の罪に陥れられそうになるが、ナミの機転で救われ、以来ナミに好意を持つようになる。しかしこの事件で、梨恵の替りに罪をきせられた政木が逆上し郷田の眼をガラスの破片で刺してしまった。怒った郷田は全員に穴掘り作業を命じ、その後、ナミには“閻魔おとし”を命令。“閻魔おとし”とは囚人たちが最も恐れている穴掘り作業、つまり一つの穴を掘っては埋め、埋ては掘るという作業なのである。極度の疲労に襲われるナミ、とうとう同情した由起子が看守を襲い、それをきっかけに、日頃看守たちに虐待を受けていた女囚たちの憎悪が爆発、大騒動を起こし、倉庫にたてこもる。しかし、この暴動の際に由起子が射殺された。そして、ナミは由起子から片桐が自分の命を狙っていると知らされ、杉見の手がここまでのびていることを知り愕然とする。片桐はナミを裏切り者扱いにし、他の女囚らを煽動、ナミに凄絶なリンチを加える。しかしナミは逆に片桐の企みを暴き片桐を裏切り者にしてしまうのに成功する。一方郷田らは食事の差し入れと偽り、一挙に倉庫になだれ込み、全員逮捕するが、この間倉庫に火をつけ混乱を起したナミは見事脱走に成功する。そして、厳重な警戒の網の目をくぐって念願だった杉見及び海津への復讐を果すのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1972年
製作国 日本
配給 東映=東映東京
上映時間 87
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