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「サード」(1978)

【DVD発売中】

72点72
原作は軒上泊の『九月の街』で、これを寺山修司が脚色しているが、でき上がった脚本はほとんどオリジナルといってもいいほどの斬新さを見せている。このシナリオにもとづいて「もう頬づえはつかない」の東陽一が演出。高校野球部の三塁手として活躍していたサード、数学 IIBが得意な IIB、新聞部とテニス部の女の子二人。この4人が、“どこか大きな町へ行こう“ということになり、そのためには金が必要だと、売春を始める。最初は順調に行ったが、ヤクザに引っかかり、サードは傷害事件を起こして少年院に入れられることに。4人の少年少女の生きる姿を東陽一と川上皓市のコンビがみずみずしく描き、新鮮な味わいの傑作にしている。もちろん脚本・寺山修司の功績も忘れてはならない。

あらすじ

関東朝日少年院は三方を沼で囲まれている。鉄格子の中で、少年達は朝早くから点呼、掃除、食事、探索等の日課を黙々とこなす。元高校野球の三塁手として活躍した通称サードもその少年達の一人であった。しかし、数日前、上級生のアキラがサードの優等生ぶりが気に入らずケンカをしかけたため、二人は単独室に入れられていた。ある日、サードの母が面会にやってくる。退院後の暮しをあれこれ心配する母に、サードは相変らず冷淡な態度を示すのだった。少年達が待ちこがれる社会福祉団体SBCがやってくる。三ヵ月に一度やって来るこの日だけが、若い女性に接する事ができるのである。SBCとのソフトボールの試合中、一人の少年が院に送られてくる。サードの仕事仲間で数学IIBだけが取得の、IIBと呼ばれている少年である。ある日、農場で一人の少年が逃走した。誰とも口をきかなかった、緘黙と呼ばれる少年である。その騒ぎにまぎれて院の生活に馴じめないIIBも逃走を図るが、やがて連れ戻される。サードはそんなIIBを殴り倒す。走っていくなら何処までも走れと、無言で語るサードの表情には、確固とした決意が読みとれた。サードの頭の中に在るのは、ここへ護送される途中に垣間見た、祭りの町を走り抜ける夢であった。彼が「九月の町」と名付けたその町は、彼が少年から大人へと成長する時に、彷徨しながら通りすぎる青春であった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1978年
製作国 日本
配給 ATG=幻燈社
上映時間 102
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