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「男はつらいよ 寅次郎紅の花」(1995)

【DVD発売中】

80点80
神戸から瓦せんべいをよこしたきり、音沙汰のない寅。くるまやの面々が噂をしていると、村山首相と一緒に寅の姿がテレビに映し出される。どうやら震災後の神戸でボランティアとして働いていたらしい。一方、甥の満男のもとに、かねて思いを寄せる泉が訪れ、見合い相手との結婚を考えていると伝える。思わず祝福の言葉をかける満男だが、式当日、花嫁行列を通せんぼして大騒動に。傷心の満男は、その足で奄美大島にたどり着く。一文無しの満男は美しい女性に助けられ、案内された家には呑気にくつろぐ寅の姿が。女性は、寅のかつての恋人・リリーだった。そして、結婚をやめた泉が満男を追いかけてくる。満男と泉、そして寅とリリーの恋の行方は……。フレームを強く意識した画面作りも印象的な堂々たる第48作。幕切れも絶妙で、はからずも有終の美を飾ることになった。浅丘ルリ子が11作、15作、25作に続いて15年ぶり4度目のリリーを演じている。

あらすじ

柴又のくるまやの面々が、相変わらず連絡も無しで旅の空の寅のことを、今回ばかりは本気で心配していた。それもそのはずで、寅からの最後の連絡は大震災前の神戸からだったのだ。ところが、偶然見ていた『大震災その後−ボランティア元年』というテレビ番組に、寅が村山首相と写っていたからビックリ。さらに神戸で寅に世話になったという被災者まで現れて、一同はとりあえず寅の無事に胸を撫で下ろすのであった。ところが、寅の甥の満男に大事件が起こる。以前から想いを寄せていた泉が突然上京したかと思うと、医者の卵との縁談の相談を持ち掛けてきたのだ。動転した満男は、泉の縁談を祝福するような心にもないことを言ってしまう。泉が名古屋へ戻り、いよいよ岡山へ嫁ぐ日。花婿の兄と新郎新婦を乗せた乗用車の前に、満男の運転する車が立ちはだかり、式をメチャクチャにしてしまうのであった。土地の青年たちに殴られ、警察につきだされた満男は、後悔の念にさいなまれながら、ふらふらと奄美大島へ。そこで一人の美しい女性と出会ったカラッケツの満男は、その女性の世話になるのだが、なんと彼女の家には寅が居候をきめこんでいた。その女性がリリーであることを知った満男は、懐かしい話に花を咲かせるのであった。だが、満男のとった行動について話すうち、寅とリリーは意見が対立、次第に二人の仲はギクシャクしてしまう。そんなところへ、満男を追って泉がリリーの家へやって来た。泉に再会を果たした満男は、そこで泉に対する気持ちを告白する。それからしばらくして、寅はリリーを伴って柴又へ里帰り。くるまやをはじめ、町中がその話題に沸き返り、くるまやではその晩楽しい宴が催されるのだった。しかし、リリーが一晩女友達の家に泊まったことが原因で、寅とリリーは喧嘩。突然リリーが帰ると言い出したので、いよいよ兄が落ち着いてくれると思っていたさくらは大慌てで寅を説得する。しかし寅は言うことをききそうになかった。仕方なく諦めかけたさくらがリリーを送ろうとした時、寅が代わりに送って行くと言い出した。そしてタクシーの中、「どこまで送ってくれるの?」と訪ねるリリーに、寅は「男が女を送るって言った時はな、その女の家の玄関まで届けるんだよ」と答えるのであった。年が明けて新年正月、満男が泉とのデートでいない諏訪家では、博がリリーからの賀状を読んでいる。それによると、寅とリリーはしばらくの同棲の後、やはり喧嘩別れしてしまったらしい。同じ頃、震災後初めての正月を祝う神戸・長田区に姿を現した寅は、地元の人々との再会に顔を綻ばせていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1995年
製作国 日本
配給 松竹
上映時間 110
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