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「彼女と彼〈1963年〉」(1963)

60点60
当時、気鋭の劇作家と組み、実験的な映画作りを続けていた羽仁進が「充たされた生活」に続き清水邦夫と組んだ社会派ドラマ。団地に住む一人の平凡な主婦が、隣に見下ろすバタヤ部落の生活に惹かれていく姿を通して、人間にとって自由とは何かを問いかける。日常生活の中の心理的小波乱を、純度の高い映像に結実させた野心作。

あらすじ

広大な団地アパートのある東京の郊外。石川直子、英一夫婦はこのアパートに住んでいる。ある朝直子はバタヤ集落の燃えている音で目がさめた。白い西洋菓子のようなコンクリートの城壁に住む団地族、それと対照的にあるうすぎたないバタヤ集落。直子はブリキと古木材の焼跡で無心に土を掘り返す盲目の少女をみつけた。その少女は、夫の英一の大学時代の友人でこのバタヤ集落に住む伊古奈と呼ばれる男が連れている少女であった。犬のクマと少女をつれていつも歩いている男。服装はみすぼらしいが眼は美しく澄んでいた。長い金網のサクで境界線を作った団地とバタヤ集落とは別世界の様な二つの世界であった。夫を送り出したあとコンクリートの部屋で弧独の時間を送る直子に、眼下に見えるバタヤ集落の様子は、特に伊古奈という男は意識の底に残った。直子は夫を愛するように全ての人間を愛する事に喜びを感じていた。だから伊古奈にも、盲目の少女にも、クリーニング屋の小僧にも同じように善意をほどこした。直子の世話でバタヤから転業させようとした伊古奈は、社会から拘束されない今の自由さから離れられず、あいかわらず犬と少女を連れて楽しそうに歩いていた。そんな伊吉奈をみる直子の心は、単調な、コンクリートの中で他人の目を気にする自分達夫婦の生活に深い疑問をもち、夫との間に次第に距離を感じてゆくのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1963年
製作国 日本
配給 岩波映画
上映時間 114
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監督

キャスト