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「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」(1985)

【DVD発売中】

76点76
チェルノブイリの原子炉爆発事故以降、世界中で反原発運動の気運が高まったが、この映画はそれを先取りしたという意味で、森崎東の時代感覚の鋭さを改めて見直させる作品だ。とはいえ決してマジメ一直線にはならず、森崎監督独特の“人間模様“となっている。原発問題、ジャパゆきさん、修学旅行積立金強奪騒動など面白い事件や現象を、やや多少盛り込み過ぎて全体に未整理なところが目につくが、はみ出し人間たちの生き方は、“総中流階級“となった当時の日本人に痛烈なパンチを浴びせていて小気味良い。旅回りのストリッパー、バーバラは、原発を転々と渡り歩く原発ジプシーの宮里とは腐れ縁の仲。彼女はそろそろ二人で堅気の仕事について結婚したがっていたが、そこに事件が起こる。原発作業中に廃液漏れで被爆し、事故隠しのために命を狙われる安次が逃げ込んできて……。物干し台でのセックス、墓場での結婚式など、エキセントリックでありながらどこかもの哀しいアウトローの心情を共感を込めて描いている。

あらすじ

旅回りのストリッパー、バーバラが名古屋に帰って来た。沖縄集落の中のタケ子が経営する飯み屋の二階が彼女の住居で、内縁の夫・宮里と親友のアイコが待っているはずだった。その日は、バーバラの弟の正とタケ子の娘、タマ枝、和男の不良中学生三人が修学旅行からはずされた腹イセに積立金強奪騒動を起こし、人質の野呂教諭が縛られ、物干し台に転がされていた。宮里は原発を転々と渡り歩く労働者・原発ジプシーでヤクザの仲間入りをしている。バーバラとは沖縄のコザ暴動以来の間柄で、彼女はそろそろ、二人で堅気の仕事に就いて結婚したがっていた。バーバラは宮里の顔を見るや、アイコのことを聞く。アイコは福井の美浜で原発労働者相手の娼婦をさせられていて、宮里の手引きで逃げて来たが、前日、美浜へ帰ってしまっていた。バーバラは、宮里がやくざに寝返ってアイコを帰したと思い込み、学校をクビになった野呂を鞄持ちとして再びドサ回りの旅に出た。そして、美浜に向かう。殺されたと思っていたアイコは元気だった。彼女は好きな男、安次を葬ったところであった。学校を追われた正たちも宮里と共に美浜に来ていた。事故で死んだという安次は、本当は原発で作業中に廃液漏れで被爆し、事故隠しの為にボート小屋に監禁されたのだった。アイコは一計を案じ、安次を死んだことにして埋葬するが、後日、やくざの目を盗んで安次を墓から掘り出し、バーバラと野呂を仲人に墓場で結婚式をあげる。二人は浜を急ぐが、海上の船から銃で撃たれてしまう。バーバラや正たちは、アイコと同じ境遇にあるフィリッピン女性のマリアにもやくざの魔の手が迫っているのを知り、マリアを連れて名古屋にもどる。そして、老船長の船でフィリピンまでマリアを連れて密航しようと考えた。マリアを追ってやって来たやくざの戸張は、宮里にアイコ殺しの代人として自首しろという。宮里は拒否し、戸張を銃で撃つが、暫く後、戸張の子分に撃たれてしまう。よろよろと外に出る宮里をやくざとつながっている鎧刑事が待っていた。そして、瀕死の宮里から銃をもぎ取ったバーバラが刑事めがけて発砲する。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1985年
製作国 日本
配給 キノシタ映画
上映時間 105
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