閉じるボタン
【重要】システム障害発生につきまして

「牛乳屋フランキー」(1956)

70点70
中平康が「狂った果実」と同じ年に発表した、スラップスティック・コメディの傑作。元ネタはキノトールと小野田勇の連続放送劇で、人情喜劇なのだがこれをギャグ満載の映画に作り変えた。主演はフランキー堺とブーチャンこと市村俊幸で、ともにドラマー、ピアニストとミュージシャンあがりの二人が、リズミカルな軽いフットワークで動き回る。この二人は1955〜58年にコンビを組み、フランキーとブーチャンものとして親しまれた。物語は、牛乳配達員の堺六平太が、ライバルのブルドック牛乳店と張り合って、お得意先を増やしていくというもの。“理性がなんだ、道が何だ、要するに俺たちは退屈なんだ“と太陽族作家に扮したブーチャンが「狂った果実」のセリフを言ったり、牛乳に睡眠薬を入れて女を犯す妄想をする「処刑の部屋」を思わせるシーンがあったりと、当時の世相を取り込んだ描写も面白い。

あらすじ

堺六平太は長州の追分から遥々上京してきた。それというのも堺家の遠縁に当る杉香苗が営む牛乳屋が商売仇のブルドッグ牛乳屋に邪魔され苦境に陥ったのを応援するためで、六平太は祖父の小五郎翁の長州男児の名を恥かしめぬよう、という訓戒を受けて勇躍やって来たのだ。ところが香苗の店は五十万円の借金があったり同僚の新吾がブルドッグに寝返ったりでうまく行かない。六平太はしかし一生懸命。牛乳配達ばかりか、撮影所に勤める松原君の恋文を南郷隆盛翁の娘英子に届けてやったりする。アパートに一人住いのマサヨは仲々のお色気の持主だが人使いもうまい。六平太は初対面ながら掃除までさせられ揚句に洗面器をひっくり返す。マサヨの悲鳴に、彼女に予て眼をつけていたブルドッグの親爺が、そこへ乗込んできて六平太との間に大喧嘩が始まるが、六平太は祖父の訓戒を思い出して次の配達先へ急ぐ。サービス本位の六平太は、こうしてお得意をふやして行くが、ある日、杉牛乳店にマサヨが来た。鼻下長のブルドッグの親爺を丸めこんで、この店をバーにするため五十万円の借金を種に掛合に来たのだ。遂に六平太は故郷の祖父に泣きつく。しかし上京した小五郎翁も金の方はさっぱり。困りぬいたところへ南郷隆盛氏が乗込んできた。松原君の英子宛に出した恋文を六平太が出したものと怒鳴りに来たのだ。ところが小五郎翁と隆盛翁は昔の話から逆に打解け、隆盛は、金ばかりか英子も六平太に差上げると言出す。慌てたのは六平太、漸く奇計を案じ、うまく英子を松原君の花嫁にすることに成功する。ブルドッグに五十万円も返し杉牛乳店はお得意が増える一方、六平太の人気は上り、ブルドッグは脱税がバレて散々の体となった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 84
チケット 前売りチケットを購入する