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「遊び」(1971)

【DVD発売中】

67点67
増村保造監督による、野坂昭如の小説『心中弁天島』の映画化。町工場で働く貧しい少女とチンピラヤクザの少年が出会い、逃亡の果てに真実の愛をつかむまでをダイナミックに描く。デビューして間もない16歳の関根恵子の初々しい存在感が魅力。

あらすじ

町工場で働く、やっと十六歳になった少女には、寂しい過去があった。数年前、ダンプの運転手をしていた父は、人身事故を起こして以来飲んだくれ、借金を残して死んでしまった。後には、造花の内職をするしか能のない母と、カリエスで寝たっきりの姉が残され、少女は借金の返済のために、中学を卒業すると働きにだされた。狭苦しい工場の女子寮では、昼間の仕事に疲れながらもわずかな自由な時間を若い男に賭ける女子工員の熱気でむせかえっていたが、少女だけは、陰気だとののしられながらも寮にとじ込もり、給料を家に送り続けていた。ある日、もと工員のヨシ子が、キャバレーのマネジャーを連れて寮にやってきた。ヨシ子の口から語られるホステスの生活は、ベルトコンベアーに追い廻される工員たちにとっては夢のようであった。数日後、少女はヨシ子を尋ねるため町に出た。電話帳をめくる少女に、背の高い少年が声をかけた。少年は十八歳。父親は、蒸発し、母親はおでんの屋台をひき、寂しくなると男をくわえこむ、飲んだくれのどうしようもない母親だったが、少年はぐれながらも面倒をみていた。今は、町のチンピラになった少年の最初のスケコマシの相手が少女だったのである。少年は、喫茶店に誘い、映画館に連れ込み、そして、兄貴の指図する通り、連込み宿へと足を運んだ。少年は、少女の素直さに胸を打たれ、薄汚れた一室で兄貴たちに犯され、後はソープランドに売られていくことを想うと、少年の胸は震え、やくざのこわさを忘れた。少年は、見張りの宿のおやじを鉄びんでぶん殴り、少女を裏口から連れだし、タクシーに乗り込んだ。夜ふけ、二人は川辺の小さなホテルにたどりついた。少女は、生まれて初めてやさしくされ、母のことも、カリエスの姉のことも貧しかった過去もみんな忘れようとした。少年も兄貴を裏切ったこわさを忘れようとした。二人は浴衣を脱ぎ払った。少女の身体は、まぶしく美しかった。少年は、不器用に、少女の裸体を抱いた。翌朝、朝霧の中、二人は葦原を走り廻った。そして川辺に浮かぶ古い水舟を見つけると沖へ沖へと漕ぎだした。ぶくぶくと沈む舟の中で、服を脱ぎ捨てた二人はしっかりと抱き合った。二人の水舟は、キラキラ輝く海へと流されていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1971年
製作国 日本
配給 大映東京
上映時間 90
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