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「赤線地帯」(1956)

【DVD発売中】

76点76
国会に売春禁止法案が上程されていた頃、赤線地帯と呼ばれる区域にあった特殊飲食店“夢の里“の主人は、法案が通過すれば売春婦は投獄されると言って女たちを驚かせる。一人息子のために働く女、入獄中の父の保釈金のために働く女、夫が失業しているので通い娼婦をする女、元黒人兵オンリーだった女たち。そんな吹きだまりの“夢の里“にある日、下働きの少女がやってくる。時が経ち法案が4度目の却下となった頃、少女はおそるおそる道往く客に声をかけるのだった。「浪華悲歌」や「祗園の姉妹」を手掛けた溝口健二が得意とする娼婦たちの世界。法案は映画の封切後同年5月に成立。その3ヵ月後の8月24日、溝口は骨髄白血症のため58歳の生涯を閉じた。

あらすじ

特飲店「夢の里」には一人息子修一のために働くゆめ子、汚職で入獄した父の保釈金のために身を落したやすみ、失業の夫をもつ通い娼婦のハナエ、元黒人兵のオンリーだったミッキーなどがいた。国会には売春禁止法案が上提されていた。「夢の里」の主人田谷は、法案が通れば娼婦は監獄へ入れられるといって彼女等を失望させた。新聞を読んで前借が無効になったと考えたより江は世帯道具を持ってなじみ客の下駄屋の許へ飛び出したが、結局自堕落な生活にまた舞い戻ってくるのであった。ゆめ子は息子修一に会うために田舎へ行ったが、修一は親子の縁をきって東京に来ていた。ある雨の降る日、しず子という下働きの少女が「夢の里」に入って来た。ミッキーのおごりで無心に天丼をたべるしず子の瞳をみつめていたゆめ子が突然、修一の名を呼びながら発狂した。その夜、やすみにだまされたと知った炭屋の青木がやすみの首をしめた。やすみは死に損なったが、青木は宮崎巡査に連行された。ゆめ子が病院に送られる頃、ラジオは法案の四度目の流産を報じていた。そして今日も「夢の里」には、何ごともなかったように、ネオンの下で客呼びの声が聞える。やすみの姿が見えないのは、彼女のなじみ客だった貸ぶとん屋ニコニコ堂主人の塩見が夜逃げしたあと、そこを買いとって女主人になってしまったからである。そしてやすみに代って、下働きだったしず子が、威勢よく客呼びするミッキーの蔭で初店の盛装をこらして、しょんぼり立っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
配給 大映=大映京都
上映時間 94
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