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「こほろぎ嬢」(2006)

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繊細な感性が光る数多くの作品を生みながら、謎に満ちた生涯を送った女流作家・尾崎翠の短編を映像化。彼女の作風を大事にしたノスタルジックな風景の中、幻想的な物語が展開する。複雑な恋の悩みは彼女が生きた100年前から変わらない。

あらすじ

三つの変わった恋の物語。最初が、少女・小野町子(石井あす香)の「片恋」、つまり相手が振り返ってくれることを期待しないで、純粋に思い続ける恋。町子が、故郷でお祖母さんと暮らしているところに、兄の友人の心理学研究者・幸田当八が訪れ、戯曲の恋のセリフを町子に朗読させる。最初はためらいながらも、ロマンチックな恋のセリフを何日か朗読した町子は、当八が去った後、彼の面影を胸にいだいて、毎日を夢見るように暮らしている。現実の当八というよりは、戯曲の恋の言葉によって触発された、ほのかで、はかない少女の恋だ。そんな町子が、たまたまお萩とおたまじゃくしのビンを持って訪ねたのが、二つ目の恋の主人公、引きこもり詩人の土田九作。九作は、町子がおたまじゃくしを眺めながら、深いため息をつくのを聞いて彼女が片恋をしていることに気づく。心のなかで、急速に町子に惹かれる九作。彼はいつも、片恋や失恋をしている女の子を好きになるが、現実に恋をしてしまうと、恋の詩が書けなくなるといって、自分から町子を遠ざける。そして、心が悲しいときや苦しいときに、それを口ずさむと心が軽くなる詩を、町子に教えてあげる。恋の詩を書くために、現実の世界では恋を封印する詩人の恋だ。町子のように、片恋をして面影を追い、おたまじゃくしとも心を通じ合わせるような少女が大人になったのが、三つ目の恋の主人公・こほろぎ嬢(鳥居しのぶ)。彼女の恋の相手は一人ではなく、また目の前の現実に生きている人でもない。図書館の奥で見つけたイギリスの神秘派の詩人シャープ氏(イアン・ムーア)と、彼の恋人の女性詩人マクロード嬢だ。こほろぎ嬢が調べたところによると、どうも二人は、二人で一人らしい。ひとつの身体に、男女ふたつの心が棲んでいる。そんな二人に時空を超えて「恋」をするこほろぎ嬢も、不思議な人だ。三つの恋のどれもが、現実の世界ではけっして実ることのない、静かで、夢か幻のような恋ばかりだが、みんな自分の「恋の言葉」を大切に抱きしめている。  【キネマ旬報データベースより】
製作年 2006年
製作国 日本
配給 旦々舎
上映時間 95
公開日 2007年1月4日(木)公開
カテゴリ ラブ・ストーリー
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