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「ただいま零匹」(1957)

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あらすじ

九州大分市の市長園田久一郎は、長い間、市政と市民のためだけに、すべてを捧げつくしてきた。最愛の妻を数年前に失い、息子竹太郎が美喜子という女給と恋に陥って家出したあと、家庭は柔順な娘梅子と忠実な婆やのよねが守っている。市の発展のため、産業道路開発の件で園田は上京したが、結果は思わしくなかった。彼はそんなことより、斬新なアイディアを具体化することに独特な手腕があるようだ。「郊外の高崎山に、日本猿を野放しにした自然公園をつくったら、市民税も軽くなるだろう」、そう思いつくと、園田は早速実行に移った。その頃、反園田派の市会議員でボスの大内喜衛門は、サロン・シロハトのナンバーワン女給千絵をそそのかして園田市長のスキャンダルをでっち上げようと虎視タンタン。だが、せっかく大内が握らせた軍資金も、千絵の手から竹太郎と美喜子の東京行きの費用に回ってしまった。一方、園田は高崎山の万寿寺境内で、毎日ホラ貝を吹き鳴らしているが、猿は一向に出てこないし、市民の非難は高まるばかりだった。そんな折、梅子が正義派議員山路幸七の息子春男と結婚したいといい出した。園田は猿のことで夢中だから、取り合わない。そんなある日、待望の猿が園田のホラ貝につられて、何匹も出てきたではないか。町中が沸き返り、大内一派は利権争いで眼の色を変える騒ぎ……。得意の園田が家へ帰ると梅子の姿は見えず、机の上に置手紙があった。そのころ、大内一派の策戦が図に当り、園田のスキャンダルは婦人会やPATで大問題となるが、生一本の園田に心惹かれた千絵が大内の奸計を素破ぬいたので、形勢は逆転した。園田は産業道路の件で再び上京することになった。同じ列車に、春男の急病を心配する幸七と、園田を慕う千絵が乗っていた。東京へ着くと、園田はまず病院へ向った。そして、梅子の看護で病床に呻吟する春男は、園田の輸血で辛うじて一命をとりとめることができた。梅子の手に春男がつくったロザリオの十字架をみたとき、園田の頭に素晴らしいアイディアがひらめいた。市長弾劾で沸き立つ市会の席上で、東京から帰ったばかりの園田は自らの不徳を詫び辞意を表したが、山路の同情演説で入れられない。数日後、キリシタン文化のため、園田市長はローマに向けて旅立ったのである。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1957年
製作国 日本
配給 松竹
カテゴリ 人間ドラマ
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