閉じるボタン

「不倫」(1965)

60点60

あらすじ

佐分利は「性の美学」なる論文で評論新人賞を得た。その内容は人類が夫婦という単位をもったのはごく最近のことで、性は本来放恣で、兇暴な貪りあいの緊張と不安のうちに美しく香ぐわしいプチ・モルトに至るべきだという結婚否定論であった。実生活において佐分利は聖子と麻樹の二人と、自由な関係を保っていた。聖子は淑かで献身的な女、一方の麻樹は出版社に勤める解放的な思想の持主で、国際級のグラマーであった。二人の女は会ったことはなかったが、互いにその存在に気づき秘かな闘いを演じていた。だが佐分利は、このような生活を優雅なものとし、満足していた。だが、聖子がある夜、縁談をのがれて佐分利の前に現らわれ、妊娠したと告げたことから事態は一変した。佐分利は数日後、子供を闇にほうむったことと、彼女への補償として夫婦としてではなく兄妹として同居することを決めた。さらに麻樹と聖子を会わせた佐分利は、二人の女が意気投合して話す声にわずかな孤独を感じなければならなかった。それ以後三人は、一軒の家で共同生活を始めた。やがて一つのベッドに三人が横たわるようになり、佐分利は次第に女二人をあやつっているはずが、いつか不気味な蜘蛛にかかってもがいている卑小感に悩まされるようになった。憔悴しきった佐分利の不安は、危惧ではなかった。麻樹がパリに行くと言い残して去ったあと聖子が自殺未遂を起したのだ。そして、再度復活した三人の生活に、麻樹は行為を拒み、佐分利と聖子の養女にして欲しいと申し出た。佐分利が聖子への償いの意味で入籍した事実を知っての申出であった。パパ、パパと呼ぶ麻樹に顔をしかめる佐分利へ、聖子は「今度は男の子が欲しいわ、もう半年もすればパパになるんじゃない?」と浴びせるのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1965年
製作国 日本
上映時間 90
チケット 前売りチケットを購入する