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「おんなの渦と淵と流れ」(1964)

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あらすじ

英文学者沼波敬吉は、昭和十三年大連で妻須賀子と結ばれた。須賀子は貞淑な妻だった。敬吉は倖せに酔い、須賀子を相手に文学論をぶち、芸術を語った。敬吉にはそれが得意でもあったのだ。だが、須賀子はそんな話には無頓着であった。それを知ってからの敬吉は、自分の学問への理解と励ましを妻に求めるのをやめた。そして、醒めたもう一つの眼で妻を見るようになった。結婚して五年程たったある日、友人の小説家田所が大連の敬吉を訪れたとき、須賀子が田所を誘惑しようとしたのを見て、敬吉は妻の肉体の深い淵にもう一人の女の影が生きていることを知った。終戦の混乱で、大連の日本人の生活は苦しかった。須賀子も社宅で小料理屋を始めた。客の中には須賀子めあてに来る人も多かった。的場、瀬川もそんな客であった。潔癖な敬吉は以来、須賀子を抱くことを拒絶した。昭和二十二年金沢に帰国した二人は、須賀子が小料理屋青柳を出すことによって、また大連の生活をくりかえした。土木建築業の大谷は須賀子と肉体関係をもっていた。敬吉は、ある日その現場を押し入れの壁穴から見て、いつにない須賀子の女体の美しさに驚き感動した。数日後、敬吉から大谷との情交を見たと告げられた須賀子は、「私は貴方だけが好き」と哀訴して泣いた。翌年敬吉は東京のプラトン出版社に勤め、須賀子との平穏な生活が始った。折から東京は戦後のあわただしい時であった。敬吉は同僚の広子が、働きながら大学に通っているのを知って、自分の英文学研究の助手にすると、熱心に文学論を闘わせた。そんな時須賀子は、自分の渇いた心を、少女時代自分に初めて性の歓びを教えた伯父、片瀬の思い出に耽っていた。隣家の未亡人富子も片瀬の愛撫を受けた一人だった。二人は親しく交際した。夏のある日、須賀子は富子の長男研一から青酸カリを買った。研一は金の代わりに、須賀子の身体を求めた。研一が風呂場から出て来ると須賀子は、毒をあおって倒れていた。最愛の夫から理解されず、去っていった女の悲しみがそこにはあった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1964年
製作国 日本
上映時間 116
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