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「夏の嵐〈1956年〉」(1956)

70点70
浅井家では、長女の妙子が婚約者を家に連れてくる。ところが次女・稜子にとって、姉の婚約者は赤の他人ではなかった。2年前、キャンプ地で衝動的に身をまかせた男だった。その男が今、姉の婚約者として姿を現わしたのだ。その日以来、稜子は清算しようにもしきれない危うい関係の中を生きはじめる……。女子大生が書いた芥川賞ノミネート小説を、中平康が映像化。“太陽族映画“として注目の的に。

あらすじ

その夜、浅井家では長姉妙子の婚約者秋元が訪ねて来るというので一騒動。およそ世俗的で平凡な娘妙子も小うるさい母親みつの忠言で着飾り、弟の明もいやいや正装した。だが女子大卒後、葵中学の英語教師をしている次女稜子は、格式張った家族紹介のとき秋元を一目見て運命の不可解さに驚く。二年前、友人とキャンプに行った稜子は夜、沼の畔りで口笛を吹く男の傲慢な眼差しに、一瞬、彼を征服したい衝動にかられ抱擁と接吻を重ねた末、名も告げず別れた。その男こそ秋元だったのである。その夜、帰りを待伏せた稜子に彼は狼狽しながら「結婚という平凡な人生は自分にとって死と同じだ。死の代りに結婚を選んだ迄だ」という。稜子は彼が姉との結婚で悔いなく生きて見せると断言してから数日後、妙子の不在中訪れた秋元に逢引きを約束させた。約束の日、遊覧船の甲板で楽隊の演奏で踊る二人の顔は何故かゆがんでいた。帰途、外国人墓地を通り掛った稜子は突然「理性を試しましょうか」と暗闇に身を横たえた。彼の全部を得ることで彼への執着を棄てたかったのだ。その頃、浅井家では二人の関係を知らず、牧師と結婚の日取りまで決めたみつが、秋元のアイマイな態度にいら立っていた。そこに憔悴しきった顔で戻って来た稜子。戸籍上は弟だが実は従弟の明は、二人の関係に薄々勘づき、嫉妬めいた気持と同情の念から彼女を慰めようとした。しかし稜子はますます自虐と自己嫌悪に落ち込んで行くだけだった。ある日、稜子の処に二枚目の城戸教師が来て、PTA会長の息子で大門という生徒を撲ったのが問題になってるが僕は会長と懇意だから、という。稜子は自分から彼の誘惑にのり、翌朝ホテルを抜け出て秋元に報告。彼は意外にも興奮して稜子の行為をなじる。明はその夜、稜子の腕に抱かれたが、無邪気な誇りで自らの人生観を肯定している彼は、肉体を与えても僕の純潔は傷つかないと平然としている。板挟みに苦しむ秋元は三人姉弟と海岸行きを約束した日曜までに自分を清算しようと考え、ある日教会の礼拝堂で結婚式の予行演習をやり、妙子を喜ばせた。当日、嵐が近づくので海岸に人の姿はなかった。砂地の午睡を俄かの雷雨で破られた姉弟は秋元がいないのに気づいた。彼は浮きつ沈みつ沖へと泳ぎ進んでいた。「卑怯だわ!」と叫ぶなり怒濤の中へ身を躍らせた稜子は波にもまれて沖へと流され、いつか姿を没していた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
上映時間 86
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