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「二・二六事件 脱出」(1962)

70点70

あらすじ

昭和十一年二月二十六日の未明。降りしきる雪をつき、国体の擁護開顕を志して決起した青年将校のうち、栗林中尉の率いる一隊は首相官邸を襲ったが、折から投宿中の首相と酷似の義弟杉尾大佐を首相と思い込んで射殺、付近一帯に警戒線を張った。隣接の秘書官官舎にいた速水書記官長は急拠、麹町憲兵分隊に救援を求めたが、警戒線の厳重を理由に断られた。これより先、武装警官隊を満載して駈けつけたトラックも、包囲部隊の市田少尉に遮られて走り去った。速水は福井秘書官を従え、首相の遺骸に香華を供えると申し出、邸内に入った。決起部隊が首相と信ずる遺骸が杉尾大佐と知った速水は、さらに女中部屋の押入れに首相が生存していることを認め、宮内省に諸角海相を訪ねて首相救出のため陸戦隊の出動を求めたが、徒らに陸海両軍を刺激してはという懸念から拒絶された。また湯村内大臣からは周囲の情勢から、明日首相に対する勅使差遣を奏上しなければならないので、明正午までに首相を救出して欲しいと頼まれ、焦躁と不安にさいなまれるのだった。一方、ひそかに官邸内に潜入していて逃げ帰った篠原上等兵から首相の存命を知った麹町憲兵分隊の特高係小宮曹長は部下二名と警戒線を突破、秘書官官舎の速水と図って首相の近親者十一名を選んで遺骸に焼香させると称して邸内に入れ、首相の脱出をまんまと成功させた。杉尾大佐の遺骸を連び出そうとした速水は、栗林中尉に「首相の写真とこの遺骸とは違う」と詰めよられ、窮地に陥った。関軍曹が女中のとめに首実検を迫った。しかし、今はすべてを見抜いた栗林中尉は部下を制し、遺骸の室から出た。まもなく、ラジオは「宮内省発表、昨二十六日、即死を伝えられた岡部総理大臣は…」と臨時ニュースを報じた。官邸の正面ホールに塑像のように立ちつくす栗林中尉の姿があった。表門に整列した兵隊の銃剣が、雪と太陽にキラキラと光芒を放っていた。かくて岡部総理は救出されたが、歴史の波はとどめることができず、日本は日中戦争から太平洋戦争へとひきずり込まれていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1962年
製作国 日本
上映時間 97
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