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「愛情の系譜」(1961)

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原作は円地文子の新聞小説。この時期、五所平之助は松竹で、井上靖ら人気作家の小説をもとにメロドラマを連続して作っていた。この作品もその一つ。社長令嬢と結婚するために、恋人が二人の関係を清算したがっていることを知ったOLの心理を追う。

あらすじ

アメリカ留学を終えた吉見藍子は、帰国してから国際社会福祉協会に勤め社会事業に打ちこんでいた。その関係から彼女は、旋盤工の兼藤良晴を補導しながらその更生を願っていたが、良晴は彼女に一途な思いを寄せていた。しかし藍子には、アメリカで結ばれた電力会社の有能な技師立花研一という恋人があった。藍子の母克代は家政婦紹介所を営み、妹の紅子は高校に通っていた。勝気な克代は子供達に父親は戦死したといっているが、夫の周三は杉電気の社長として実業界の大立物であった。藍子と紅子はふとしたことから父のことを知った。二十年前−−克代の父に望まれ彼女と結婚して吉見農場の養子となった周三は、老人の死後、老母や兄夫婦の冷たい仕打ちに家を飛び出してしまった。杉を愛する克代は彼を追って復縁を迫ったが断わられ、克代は無理心中を図った。だが、二人とも生命をとりとめたのであった。藍子は自分の体の中に母と同じ血が流れていることを知った。その頃、立花には縁談が進められていた、化粧品会社を経営する未亡人香月藤尾の一人娘苑子との話である。或る日良晴は、藍子が自分に寄せる好意を、男女の愛情と感違いして藍子に迫ったが、藍子に突放されてしまった。それからの良晴の生活は荒れた。その結果が、夜の女を殺害するという暗黒の地獄に落ちこんでしまった。一方、立花は藤尾との結婚のために藍子との関係を清算しようとしていた。立花のアパートを訪れた藍子は、眠っている立花の枕元からの手紙でそのことを知り、立花を殺そうとするが、どうしても殺すことができなかった。傷心の藍子は、父のところに飛びこんでいった。翌朝、杉の知らせで克代もかけつけて来た。二人の再会は、二十年という歳月が全てのものを流し去り、そこには愛情を越えた美しい人の心が静かに漂っていた。それから数日して、藍子は良晴を伴って警察への道を歩んでいた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1961年
製作国 日本
配給 松竹大船
上映時間 108
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