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「盗まれた欲情」(1958)

70点70
今東光原作の『テント劇場』を、今村昌平が第1回監督作品として映画化した風俗ドラマ。大阪は河内地方のドサまわり一座。大学出の文芸部員・岡田信吉は小難しい理論をたてにこの世界に飛び込んできたが、理想と現実のギャップはあまりにも大きかった……。今村昌平の演出には、新人にみられがちな緊張がみじんもみられず、ひとクセもふたクセもありそうな連中がのさばる、この人間のごった煮のような風俗ドラマを完璧に仕切り、すでに大家の風格さえ漂わせている。特に大騒ぎで村を去っていく旅役者の一座が画面狭しとひしめくラストシーンには、今村昌平の持ち味である土着のバイタリティーが見事に表われている。DVDは「今村昌平 日活作品全集(1)」に収録。

あらすじ

中河内高安村にドサ回りのテント劇場、山村民之助一座がやって来て大入満員、座員は大喜びだ。一座の演出家国田信吉は芝居一途に大学を中退した情熱家で、自分の新解釈により演し物を上演しようと夢みている。彼に想いをよせる民之助の娘千鳥と千草、千鳥は看板スター栄三郎の妻だが、ひそかに恋情をもやしている。大入の夜、祝宴を逃げ出した信吉は、ほとほと低俗な一座にいや気がさし、自らを罵って川に石を投げる。追って来た千草は、そんな彼に抱かれた。翌日は雨、民之助が信吉の新作を稽古しようと提案するにもかかわらず、一座は女を求めて村へ散ってしまう。千鳥は妹の昨夜の行動から、暗い嫉妬をもやすのだった。一方村に出た男達、老優富八郎は小金をためた未亡人を、三枚目の勘次は肉体派のみさ子を手に入れるが、信吉も愛する千鳥ならぬ千草と契った後悔に、酔いつぶれるのだった。翌日は再び大入満員。みさ子のストリップに拍手が湧く。しかし、一部の村の青年達は、こんな一座を快よく思わなかった。彼等はその夜みさ子に懸想していた藤四郎を誘って千草を襲う。幸い信吉等の追跡によって千草は救われたが、信吉は千鳥に自分の心を打ちあけ、彼女も遂に拒み切れなかった。それを発見した千草の口から、栄三郎を加えた信吉、千鳥、千草が民之助の部屋に集った。妻に裏切られた栄三郎は、座の為に自分が身をかくすと言う。その瞬間千鳥は、栄三郎と離れられないと告白するのだった。朝がきて、一座は高安村を去って行く。その中には、信吉に寄りそう千草の姿があった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1958年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 92
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