閉じるボタン
【重要】システム障害発生につきまして

「ボブ・ディラン:ノー・ディレクション・ホーム」(2005)

【DVD発売中】

84点84
世界のカルチャーに多大な影響を与えたカリスマミュージシャン、ボブ・ディランの偉業を、巨匠M・スコセッシが解き明かすドキュメンタリー。田舎町の少年がスターになる第1部と、アコースティックからエレキギターへと持ち替え、ファンの頑強なまでの反感を買った60年代を描く2部構成。

あらすじ

ビル・ヘイリーやエルヴィス・プレスリーやチャック・ベリーやリトル・リチャードの歌と共にロックンロールが産声を上げた前世紀半ば。音楽だけでなく、政治・経済においてもアメリカ社会は大きく変貌しようとしていた。テレビの普及、米ソの冷戦の深刻化、それに伴うレッドパージ、核開発、朝鮮戦争、人種・人権問題、ビートニクなどなど。ボブ・ディランは、そんな時代をミネソタの北、森と湖でカナダと国境を隔てられた田舎町ですごす。「冬は何もかもが静かで動かなかった。それが八ヶ月続く…何もしないで、ただ窓の外を見つめていると、幻覚を見そうになる」と、その町をディランは回想する。ロックンロール好きで、ハイスクールの卒業写真には「リトル・リチャードの仲間になること」とも記したディランは、その「動かぬ」町の中で、1960 年代の爆発を静かに準備していた…。1950年代末から1960年代、ミネソタからニューヨーク、グリニッチヴィレッジへ。社会の激動と共にディランの人生も激変していく。ポップ・ミュージック・シーンには顔を出すこともなく、しかしアメリカの激動の背景を確実に捉え続けるフォーク・シンガーたちとの出会い―ウディ・ガスリー、ピート・シーガー、ジャック・エリオット、オデッタ、デイヴ・ヴァン・ロンクなどなど、ディランは彼らの人生や歌から、計り知れない多くのものを学ぶ。路上での弾き語りやカフェでの演奏、そこに集まる人々との深い交友の中でディランは独自のスタイルを作り上げていく。そしてジョーン・バエズとの出会い、コロムビアレコードとの契約。ロックンロールの炎が鎮火し、見捨てられていたフォークにアメリカ社会が再び目を向けたとき、その中心にはバエズとディランがいた。タイトルの「ノー・ディレクション・ホーム」とは、アコースティック・ギターから再びエレキ・ギターに持ち替えたディランの、その決定的な変貌の象徴でもある歌、『ライク・ア・ローリング・ストーン』の歌詞の一節。「どんな気がする/ひとりぼっちで/かえりみちのないことは/ぜんぜん知られぬ/ころがる石のようなことは」(訳:片桐ユズル)と歌われるその歌で、この映画は始まり、終わる。その中で、ロックンロールからフォーク、そしてロックへと、時代の変化と共に「かえりみちのない」道を歩み続けるディランの若き日々が切り取られ、語られることになる。もちろんそれは、アメリカの若き日々、とも言い換えられる。キューバ危機、ベトナム戦争、ケネディ暗殺、平和行進、「私には夢がある」と語ったキング牧師の演説…。人々の夢と野心と欲望と絶望と悲しみとをエネルギーにして変貌するアメリカ社会が、この映画のもうひとりの主人公でもある。あるいは、「アメリカ社会」というもうひとりの主人公こそが「ボブ・ディラン」という名前を持つのだと、言い換えられるかもしれない。出会った数々のフォーク・シンガーたち、ブルースマンたちの誰もがそうしたように、彼らの歌を変奏し、自分のものとして、自らの歌の奥行きを広げていったディランこそ、アメリカという国の広がりそのものだと。もちろんそこには、アメリカ自身に対する怒りもまた、激しく渦巻いていた。 【キネマ旬報データベースより】
原題 BOB DYLAN:NO DIRECTION HOME
製作年 2005年
製作国
配給 イメージフォーラム
上映時間 201
公開日 2005年12月23日(金)公開
カテゴリ ドキュメント
チケット 前売りチケットを購入する