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「白い牙」(1960)

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六甲山の中腹にある洋館を舞台に、それぞれが愛人を持ち、お互いの絆を失っていく夫婦の姿を通して、人間同士の信頼が失われていく様を描いた井上靖の同名小説の映画化。佐分利信、牧紀子といった俳優陣の冷徹な演技もすご味を加え、反メロドラマとして強い印象を残す五所平之助後期の異色作。

あらすじ

神戸港をはるかに見下す六甲山の中腹−−古い洋館造りの田代家は冷い雰囲気に包まれていた。この家の主・東作は永年の不和から妻と離婚していた。日常の切りもりは長女の沙夷子に一切を託されていた。彼女には峰夫という弟がいた。今は家を出てしまった母は、東作が事業家でたえず不在であるところから、男関係の体がたえない女だった。そのため、東作は蜂夫が情夫の落し種と疑っていた。そんな父に、峰夫は何かと反抗的だった。東作が外にかくまっていた愛人・阿佐子を家にひき入れた。蜂夫は東作と殆ど口をきくこともなくなっていた。沙夷子には角田康之という意中の男があった。散歩の折、沙夷子は自分の気持をはじめて康之に打ちあげた。二人の仲は急速に近づいた。康之が仕事で出張するのを利用し白浜で落ち合う約束になった。しかし、康之は療養中の妻を見舞いに回って約束を違えてしまった。その夜、康之は詫びに沙夷子の許を訪れた。勝気な沙夷子は意地をはってすげなく扱った。酒に酔っていた康之は阿佐子の肩にもたれかかるように送られていった。その光景を目撃した沙夷子は、不安の念にかられ翌日康之の下宿を訪れた。康之は不在で、一通の置手紙を見つけた。それは阿佐子からのもので、昨夜の二人の関係を明らかに物語っていた。沙夷子は絶望的な衝撃をうけた。その夜、神戸の港町を彷徨し、康之への愛情をたち切ろうとして、行きずりの外国人に体を許してしまった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 松竹京都
上映時間 96
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