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「黒い潮」(1954)

75点75
行方不明の国鉄総裁が、轢死体となって発見されたという事件を背景に、一人の新聞社社会部記者の、煮えきらない社の方針に対する憤りと、かたくなな正義感を描いた社会派作品。下山事件にヒントを得た井上靖の小説の映画化。滝沢修ら新劇のベテランが出演。

あらすじ

毎朝新開社の社会部記者速水は、警視庁詰めの記者筧から行方不明の秋山国鉄総裁が、轢死体となって発見されたという報をうけた。複雑な政治的問題を孕む社会情勢から、この事件の真相は容易に判断できず、捜査当局も、単なる状況報告に止っていた。他社の新聞は他殺説を主張したが、この事件を担当する速水は、正確な記事を客観的にという立場から自、他殺のいずれとも推定せず、見透しさえ書かなかった。十六年前、速水の妻が流行歌手と心中した時、新聞の記事は無責任な、興味本位のもので、真実からは遠く離れており、世間の眼は彼に対して冷酷だった。それ以来速水は、真実を押し流す世間の眼を憎むようになっていた。山名部長は速水のかたくなさに当惑したが、浜崎編集局長や水谷主幹から彼をかばい、励ました。奥多摩に旧師佐竹雨山を訪れた時、娘の景子との結婚を云われたが、速水の頭には秋山事件以外のことは、何もなかった。他紙は他殺を主張し、他殺、自殺何れとも推定しない毎朝紙は自殺を主張していると非難されるようになった。その時国鉄整理に絡む計画的な美鷹事件が起ったために、秋山事件もこれと同種の事件だという決定的な断定が下され速水達の努力は水泡に帰した。速水は転任させられ、山名は辞職願を出した。送別会の席で事務員伊庭節子は、速水一人を苦しめたと他の記者をのゝしった。速水の転任を聞いた景子は、一諸につれて行ってくれと頼むが、彼の亡き妻への強い愛情を知ると淋しく別れた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1954年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 113
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