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「最後の切札」(1960)

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あらすじ

東京のとある屋敷街、立野駿介は帰宅した西川に新聞記者だと偽りフラッシュをあびせた。新宿で相棒の吉村とおち会った立野を見れば、記者でないことは一目で知れた。表面は平凡な一店主の立野は、実はあくどい周旋屋、宗教研究会を作って新興宗教から寄附と称してゆすり、たかりまでしている有様だった。競輪場で西川の部下が闇の拳銃を買う現場を目撃した彼は、警察に知らせる一方新聞の方をもみ消す役を買って出た。西川を追ったのも彼と浅からぬ関係のある新興宗教の不滅教会をゆするためだった。新聞種を恐れる不滅教会では、星野事務局長が立野と吉村に三十万円渡した。立野は女にも目がない。テレビの女優の田鶴子、歌手志願の園子、頭の弱い田舎娘、女給の民江、皆かせげるだけかせがせてピンハネした。使っただけの資本は回収する、という寸法だった。三十万円に味をしめた立野に、教会の経理担当理事越村が訪れ、西川が尾行されるので警察方面に手を打って欲しいと頼んだ。立野は自分を信用して貰うために警察との交渉現場を見てくれと言った。泥酔をよそおった立野は、西川関係の渡辺警部によろしきを伝えた。連絡しておいた越村は、このやりとりを見届けた。立野のポケットは再び大金でふくらんだ。今や立野は不滅教会をゆするタネを懸命にさがした。不滅教会から別れた誠心会の会長と幹部の斎藤から立野は、不滅教会の支部長だった竹川の死に疑問があるときいた。とびついた彼は竹川の田舎である那須の在まで出向き、土葬されているのを確かめた。解剖すれば殺人事件にまで発展する、立野はそう確信した。不滅教会は立野のカラクリを気づき出した。教会をバックに立候補した谷口が当選し、保安次官に就任した。立野も尾行され始めた。ひそかに立野が愛していた園子が、立野の野心を知ってアパートを出てしまった。立野は追い込まれてゆくのを感じた。逮捕状も出た。渡辺警部は富山に転勤になった。が、最後の切札をもつ立野の度胸はすわっていた。いまや竹川の墓を掘って事件をあばくばかりだった。深夜、那須の墓地では前科者のチビとノッポが棺桶を引き上げた。が、死体はなかった。東京ではその頃、立野の甘言にのせられた斎藤が総会帰りの星野を刺殺した。立野はチビたちに三万円支払う約束をしたのが惜しくなった。逃げ出した立野を二人は背後からスコップで殴った。立野はあっけなく息絶えた。二人は空の棺桶に立野を収めて葬った。墓地は深閑としていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
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