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「BOXER JOE」(1995)

0点--
阪本順治にとって3度目のボクシング映画。赤井英和、大和武士に続いて、今回は辰吉丈一郎を取り上げる。網膜剥離という困難を乗り越えてのハワイでの復帰第1戦から、薬師寺保栄との世界タイトルマッチまでの約1年半をカメラは追う。また、サブストーリーとしてからむのが、辰吉の周りにいかにもいそうな応援団たちの人情ドラマ。大阪のお好み焼き屋の主人・ガンさんとその一家を中心に、おかしくも温かな応援団ぶりで世紀の一戦までを盛り上げる。ドキュメントとドラマが交錯する様は、スポーツ批評とも言うべき高度な達成を果たしており、阪本順治の新たな出発点を見せつけた。

あらすじ

お好み焼屋のガンさんは大の辰吉丈一郎ファン。そんな彼の夢はアメリカでの辰吉のファイトを観戦することだった。しかし、あまり仕事熱心でないガンさんにそんな費用があるわけはない。そこで、ガンさんの娘・ユウコはその費用を捻出するために父親に仕事をするよう仕向けるのであった。ガンさんの店には清という青年と、役所の職員である喜一という男がよく出入りしていた。彼らもまた辰吉ファンであることは違いなく、ガンさんと一緒にアメリカへ行こうと店の仕事を手伝うのであった。はりきるガンさんはチャンピオンベルトに見立てた“辰吉焼き”なるメニューを考え出し、それなりに店も繁盛するようになる。また、その合間を縫って応援の練習にも余念がなかった。しかし、お人好しのガンさんはある日、昔なじみの男に金の無心をされ、断りきれずに貯金した渡米費用に手をつけてしまう。清と喜一は金がなくなったことを知って怒った。学校をサボったり、役所を休んだりしながら店を手伝った彼らにとって、それは当然我慢のならないことだった。しかし、それをフォローしたのはユウコだった。父親の性格を知り尽くした彼女は清と喜一を宥める。アメリカへの費用はなくしたものの、辰吉の試合が地元名古屋であることを聞いたガンさんたちは、そのチケット入手に成功。試合までの日を首を長くして待つのであった。いよいよ試合当日、店を臨時休業してレインボーホールへ向かおうとしたガンさんたちだったが、いざ家を出ようとした時に清の祖母・フクの訃報が届く。「僕を置いて見に行ってくれ」と言う清に、ガンさんは「四人で見に行けなければ意味がない」と優しく語った。試合開始時間が刻一刻と迫る中、しめやかに通夜は執り行われる。だが、四人だけはこっそり別の部屋で、やはり辰吉のファンだったフクの弔いをするために、テレビで辰吉と薬師寺保栄の試合をしっかり見るのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1995年
製作国 日本
配給 電通=FM大阪=フロムスリー
上映時間 118
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