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「人も歩けば」(1960)

70点70
様々なジャンルの映画を残した川島雄三が手掛けたナンセンス・コメディ。主人公の青年が、なじみの質屋に出入りするうちに、婿に見込まれ……。「幕末太陽傅」には及ばないが、フランキー堺の演技と、あれよあれよと進んでいく物語のテンポがいい。藤木悠扮する私立探偵・金田一小五郎が笑わせる。

あらすじ

キャバレーのドラマー・砂川桂馬は、年に似合わず強い将棋が取り持つ縁で銀座裏のなじみの質屋、将棋マニヤの成金義平の婿となった。ところが義平は祝い酒ののみすぎから結婚式の当夜、ポックリ。かくて桂馬は帳場に座ることになったがそこはドラマーの悲しさ、すっかり大損をして姑のキンに主人の座から追われてしまった。その上嫁の富子にまでないがしろにされる始末。わずかに富子の従妹・清子のあたたかさにはげまされて化粧品会社のセールスマンとなった。ようやく小づかい銭にありついた桂馬はセクシーな未亡人・すみれの新橋の飲み屋「すみれ」のなじみ客となったがその頃から桂馬のあとを一人の男がつけはじめた。キンの指し金で桂馬の行状をさぐっていた成金屋の常連、私立探偵の金田一小五郎だった。ある日、桂馬は「すみれ」のマダムにぞっこんの「八卦湯」のおやじ日高泥竜子から近く大金が入ると卦を立てられポケットの宝クジをつかんでニッコリ。ところがホロ酔いかげんで帰宅した桂馬は彼のあとがま気取りでデレデレしていた古道具屋の藤兵衛をなぐって藤兵衛のスクーターに乗って家出することとなった。かくてドヤ街のベットハウス「浪々荘」での桂馬の生活がはじまった。カケ将棋でセシメた金で桂馬をしたう政治家志望のチンピラ、板割の鉄太郎をカタギにしようと大盤ふるまい−−ともかく平和なドヤ生活も、鉄太郎がスクーターを乗りにげしたり、宝クジがカラクジだったりで多難。すっかり泥竜子のせいと思い込んだ桂馬は泥竜子にたのみ込んで三助稼業。その合間に泥竜子のコる新興宗教の助手もやる。一方桂馬の家出した成金家にはある日二世のバブ・コンドウなる人物があらわれ、アメリカにいる桂馬のおじから遺産、九千万円が彼におくられているという。期間は三十日以内。すっかりあわてたキンや富子の桂馬さがしがはじまった。ところが桂馬はこれをスクーターの乗り逃げを追求されていると感ちがいして逃げまわる。期限ギリギリの日にただただ桂馬のことのみを心配している清子に大道将棋屋に化けているところを見つかり桂馬は無事九千万円ふところに−−まで来たところで笑いごえがした。ふと目をあけた桂馬の前に義平の笑い顔があった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 東京映画
上映時間 99
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