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「港の乾杯・勝利をわが手に」(1956)

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鈴木清太郎こと清順の処女作。競馬の八百長事件に巻き込まれた騎手の弟を元船乗りの兄が身を捨てて救う、というストーリー展開。典型的な歌謡映画ではあるが、後年につながる清順独自の奇妙なつなぎが随所に見られる。初期の清順はこの手の歌謡映画の量産を強いられ、雌伏の時を過ごす。

あらすじ

郷愁にとり憑かれたかのように、一人の男が港町を歩いて行く。木崎伸吉は船乗りだったがある事件の責任を一人で背負ったばかりに、今では魚の担ぎ屋をやっている。昔の仲間に誘われるまま早苗の酒場へ行くと、そこでもなつかしい顔ぶれが明るく彼を迎えてくれた。船員たちからマスコットのように愛されている早苗は、伸吉の弟で競馬騎手の次郎が今日のレースに優勝したら、祝宴をひらくと約束したほどの熱のあげようだった。その頃、見事に優勝した次郎は青山あさ子という女と知り合い、一緒にナイトクラブへ出かけ、遂に酒場へは姿を見せなかった。あさ子は土地のボス大沢の女である。翌朝、下宿へ帰った次郎は、伸吉からひどく叱られたが、その後、次郎とあさ子の仲は急速に進展した。ある日、あさ子に逢いにナイトクラブへ出かけた次郎は、大沢から次のレースに八百長をやれと脅迫された。ヤケ酒に酔いしれて帰った次郎は、伸吉からあさ子が留守中に来たことを聞かされた。次郎を熱愛しながらも大沢から逃れることのできないあさ子は、八百長だけはやらないでくれといって帰ったという。そのレースの当日、大沢とあさ子の姿を見て心乱れた次郎は不覚にも落馬したが、執拗な大沢は最終日の桜花レースにも八百長をやるように迫ったのである。しかし次郎はスタンドにあさ子の姿を見るや、大沢の脅迫も忘れ、全力をつくして優勝の栄冠をかち得た。次郎が大沢らに拉し去られたと聞いて伸吉が駈けつけたとき、あさ子の拳銃が火を吐いて、大沢が倒れた。弟とあさ子の幸福を祈りながら、伸吉は刑事の手錠をうけた。それは伸吉が再び船員になれるという報せを受けた日のことである。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
上映時間 65
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