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「一本刀土俵入〈1957年〉」(1957)

95点95
長谷川伸の同名戯曲の5度目の映画化。内容は、おなじみ親方から暇を出された相撲取り・駒形茂兵衛が、情をかけてくれた酌婦のお蔦に恩返しする話。茂兵衛を加東大介、お蔦を越路吹雪が演じ、マキノ雅広得意の緩急を使い分けた演出も生きている。

あらすじ

大利根の渡しに近い取手の宿。土地のやくざ弥八が往来の若夫婦に因縁をつけ、仲裁の人々を相手に暴れだした。それを安孫子屋の二階から見て肝癪を起した酌婦お蔦は、通りかかったくわい頭の取的にも八ツ当りした。取的の茂兵衛は江戸相撲の巡業先で見放され、ひとまず江戸へ舞い戻る途中だった。彼は喧嘩にまきこまれ、一文なしの水ッ腹で奮戦し、弥八を追っ払った。彼を呼び止めたお蔦は面白半分に身上話をさせた。−−上州勢多郡駒形の産。家も親兄弟もない。母の墓の前で横綱の土俵入りをしたいという。流れ者のお蔦もホロリとし、自分の故郷八尾名物の越中小原節を唄ってきかせた。彼女はきっと横綱に出世しておくれと茂兵衛を励まし、巾着にかんざしを添えてやった。それから十年後。流れ者の職人辰三郎は、十年も自分の子を育ててきたお蔦の情にほだされ、身を固める気になった。帰途、土地の賭場で素人に化けてイカサマを振った。追われた辰三郎がその金を置いてお蔦と故郷に逃げる相談をしていると、背中のお君が母親の国の唄をうたった。その時、家の戸を叩く者があった。唄をたよりにお蔦の行方をたずねてきた茂兵衛だった。グレて入ったやくざの、三度笠、一本差し姿に名乗られても、お蔦には判らなかった。彼が恩返しに金を差し出し立ち去ろうとすると、土地の親分儀十一味が家を取り囲んだ。奮戦の末、角力上りの儀十と刀を捨てて四つに組んだ茂兵衛の姿に、お蔦は十年前の彼をやっと思い出した。茂兵衛にとっては、棒切れを振廻して一味を倒し、お蔦たちを逃してやることが、十年前巾着ぐるみ意見を貰った彼女にせめて見て貰う、横綱の土俵入りだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1957年
製作国 日本
上映時間 83
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