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「狐と狸」(1959)

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化繊を純毛とごまかし、人絹を本絹とごまかして洋服を売り歩く甲州の行商人と、それを買う農家の人々の強欲ぶりを狐と狸のばかし合いにたとえて描く千葉泰樹監督の本格喜劇。菊島隆三の脚本がテンポを出し、軽快な作品となっている。

あらすじ

茨城県の水郷付近に仲間と洋服のバイ(売り)に来た甲州の行商人たち、通称シューコーの中で青島京太は親分格として、インテリ崩れの湯舟吾市、酒飲みの飯塚半五郎、元浪曲家の天中軒瓢右衛門、後家のお玉、京太の甥で大学卒業というのに就職難からここへ来た倉掛三郎などとともに、連日、化繊を純毛とごまかして強引に行商をやっている。もっとも買う方の農家も、これ強欲の塊でまさに狐と狸の化かし合い。若い三郎は京太の後についてバイの方法を覚えていったが、京太の図太いやり方に目を丸くして驚く、とともに商売の難しさと生きることの難しさを知った。彼の初めてのバイは巡査の妻君に本絹だと云って人絹の着物を売りつけたことだったが、帰ってきて三郎の報告を聞いた京太は驚いた。相手が悪い。ばれたら一大事と京太は仲間を連れ出し北浦という旅館に本拠を変えた。と、そこで彼は、昔なじみの額田丹平に出会った。丹平は、もと二十人からの売子を使うバイ人だったが、女と酒に使って今は商売のタネ(材料)さえない有様。京太は早速、友情からタネを貸して丹平に商売をさせた。そんなある日、京太は、瓢右衛門の売った人絹の着物がばれて刺青のある若い者に怒鳴りこまれた。男の連中は青くなって宿の押入れに逃込んだが、そこは女ながら度胸のいいお玉後家がうまく追い返した。が、こんどは、そのお玉の妊娠騒ぎ。彼女は一晩だけ相手にした男の子を妊ったのだ。京太は彼女を病院へ連れて行った。吾市も息子が病気で故郷へ帰った。悪いことは重なるもので、京太も、儲けた金で競輪場へ行ったのが運のつきで、競輪では儲けたが有金そっくりスラれてしまった。鞄には仲間への配当金も入っていた。仲間に会った京太は必ず穴埋めすると約束、問屋から借りられるだけ品物を受取るや、倒産したデパートの品物だと云って一か八かの勝負に出た。京太は仲間にも手伝わせ、農協の理事をうまく抱き込んだおかげで品物は一ぺんに売れた。意気揚々とこの村を引揚げる京太たち。ところが、一行の耳に突然はげしく鳴る半鐘の音。インチキな品物がばれたのだ。皆バラバラに逃げ出した。京太は心配して迎えにきた丹平に売上金を預けた。が、これが失敗だった。丹平は預った金の半分を取って行方をくらましたのだ。悄然とする一同。しかし、これでヘコたれる京太ではなかった。北海道へ行こう!雪深い北海道の人たちは、さぞかし金を貯めていることだろう。−−翌朝、新天地を求めて出発する京太たちの姿が見られた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1959年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 126
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