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「ふんどし医者」(1960)

70点70
長崎で和蘭陀医学を修めた主人公は徳川家御典医の考査のために江戸に上る途中、大井川の川止めに遭ったが、そこで病苦にあえぐ貧しい人々に接した。主人公は江戸へ上るのを止め、この町に留まることを決意する。日本が近代の夜明けを迎えた時代を背景に、医学をめぐって繰り広げられる人間の葛藤劇。

あらすじ

およそ百年前、東海道大井川の島田宿に小山慶斎という蘭法医がいた。貧しい人々のための医者だった。美人の妻いくは丁半と勝負ごとが大好きだったため、慶斎はたびたび着物を脱がねばならなかった。最後にはふんどし一本になった慶斎がいくを伴い悠然と歩く姿に、人々は彼を「ふんどし医者」と呼んだものであった。遊び人半五郎が仲間の争いから瀕死の重傷でかつぎ込まれた時、慶斎は“腎臓摘出”という日本最初の大手術をして成功した。こんな片田舎の宿場にこんな名医がいるのは不思議だった。−−十五年前、長崎で和蘭医学を収めた慶斎は親友池田明海とともに徳川家御典医の考査のため江戸に登る途中、大井川の川止めに会った。病に苦しむ貧しい人々の姿に接した慶斎は、一将軍より多くの市井の人々のためにつかえる道を選んだ。川止めは解け、明海は江戸に発った。明海を追って来たいくは、慶斎の姿に感動し、二人は結ばれた。御典医となった明海は、たびたび島田に立寄り慶斎を江戸に誘ったが、慶斎の決意は変らなかった。この慶斎の思想に感動した半五郎は弟子入りを志願したが、慶斎はすげなかった。許婚・駿河屋の娘お咲をおいて半五郎は、修業のため長崎にたった。それから八年、維新を経た明治の始め、伊東半五郎は新進気鋭の医師として島田の宿に帰って来た。いくやお咲の驚きと喜びをよそに、慶斎は淋しかった。見るも新しい器具類は取り残された思いを抱かせるばかりだった。折から疫病の疑いを持つ子供を中に、単なる腹痛だという慶斎と、チフスだという半五郎の意見は正面から対立した。三百両の顕微鏡は、いくの体を張った勝負のおかげで手に入った。しかしその助けを待つまでもなく、三十年の経験から生れたカンは敗北した。絶望にひたる間もなく、「隔離」という言葉すら解さぬ人々の怨みから、慶斎の家は打ちこわされた。これを契機に新しい医学を学び直そうとした慶斎を訪れたのは、医大教授となった明海だった。が、招へいを受けたのは半五郎だった。師弟の縁を切るという慶斎の怒りをあとに、半五郎は新妻のお咲と東京に向かった。打ちこわしをした人々も慶斎の前に頭を下げた。家は再び建てられ、慶斎といくの田舎医者の生活も、再びはじまった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 116
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