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「あすなろ物語」(1955)

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井上靖が少年の成長を描いた原作を黒澤明が脚色した作品。監督の堀川弘通は黒澤の助監督だったが、これは監督第1回作品。おばあちゃん子の気弱な少年が成長していく年代記ものである。題名は、桧になろうとする“あすなろ“の木に由来している。黒澤ヒューマニズムを理解する上でも貴重な作品。

あらすじ

梶鮎太は祖母の手一つで育てられてきた十二才の少年であった。或る日、祖母の妹の子である冴子が鮎太の前に現われた。中学生と映画を見ていたため、女学校を退学になり祖母に引取られて来たのだ。この静かな田舎町で胸の病いを静養していた加島に、鮎太は冴子のラブレターを持って行かせられた。加島は鮎太に大きな木を示し、檜に似てはいるが檜とは違い、あすは檜になろうと一生懸命になっている“あすなろう”という木だと教えた。間もなく深い雪の山中で、加島と冴子は心中した。それから三年、祖母も亡くなって鮎太は溪林寺の住職の世話になった。寺の娘雪枝は、リーダーは読めても意気地無しの鮎太を励まし鉄棒の猛練習をさせ大車輪の新記録を作った。自信を得た鮎太は、雪枝に云い寄る年上の青年と格斗して退散させた。更に三年、鮎太は東北の高等学校に入った。彼が下宿した家には女主人と娘の玲子のほか、下宿人の木原、江見、佐山、竹内等がいた。十八才の鮎太にとって初めて見る大人の世界であったが、彼も段々と成熟した玲子に惹かれて行った。やがて玲子にのっぴきならぬ縁談がおこった。気には染まなくとも病弱な母と家の将来のためだった。鮎太はやせた。ある日、玲子の冗談を真に受けて鮎太は石垣の上から飛び下りた。驚いた玲子は鮎太に接吻を浴びせた。間もなく彼の気持を思いやる玲子の心づかいで鮎太はこの家を去ることになった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1955年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 109
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