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「痴人の愛〈1949年〉」(1949)

【DVD発売中】

40点40
大映のドル箱スター、京マチ子を売り出す切り札として製作された作品。谷崎潤一郎の同名小説を原作に、木村恵吾監督が“狸御殿“シリーズとはうって変わった粘着的演出で、一人の男が育て上げた自由奔放な女ナオミの官能の世界が展開されていく。原作と異なり良識的な結末は当時の世相ゆえか?

あらすじ

会社では「君子」といわれ、女などいると思われない譲治だが「パパ、スクーター買ってよ」とナオミにせびられ「無理いうんじゃないよ、ナオミちゃん」といいながら結局買ってしまう譲治、洗濯も料理もする譲治、どうしたわけなのだろう−−それは田舎育ちで、女などと交際したことのない譲治が、会社の用事で神戸へ出張したとき、ふと知り合ったカフェーの女給ナオミに、その伸びた肢体から、有頂天になって、無理やりに彼女を東京へつれ帰り、肉体も精神も理想の女にしたいと思って、英語もピアノも勉強させ、ナオミのわがままを通しているというのである−−だが、ナオミはそれをいいことにして、ピアノの練習所では熊谷、関、浜田など不良坊ちゃんと友達になってキャバレーやホールを遊びあるき、夜の英語の勉強には少しも身を入れないで譲治を手こずらせ、とおとお譲治を怒らしてしまう。だがナオミがふてくされて夜遊びに出てしまうと、やはり譲治はいたたまれぬほどナオミが恋しい。ナオミの誕生日の夜、ナオミは不良友達を招待して、夜更けまで歌い踊り、みんな泊りこんでしまう。譲治は若い男たちとふざけまわるナオミをみて、やり切れない気持である。ピアノの友だちというが、ナオミをとりまく男たちに嫉妬した譲治はナオミに、関たちと絶対つきあってはいけないという。ある日、ナオミの提案で鎌倉へいくことになった譲治は植木やの一間を借り、数日をそこですごすことにする。ナオミは毎日海で遊び、譲治はそこから会社へ通う。しかしナオミはそこでも関や熊谷や浜田たちと恋愛あそび。とうとうきわどい遊びの現場を譲治に見つけられる。譲治は本当に怒ってナオミに「出ていけ!」とつき出してしまう。夏は終った。譲治をはなれたナオミは、お金もなく、もう関や浜口たちもちやほやしなかった。彼らにとっては女王のようにふるまい、紙幣びらを切っていたナオミこそあそびの対象になっていたけど、宿なしになったナオミに真剣な愛情をもつ人はだれもいなかった。かえって熊谷たちから「いくら遊んでもどこかで真実をつかんでまともな生活にかえらなけりゃいけないよ」などといわれ、ナオミはうらぶれた気持になり、やはり譲治のところへ帰った。今は冷くナオミを見る譲治。だが今、本当に涙を流し「なんでもする、馬にでもなるから許して」と、四つんばいになるナオミをみて譲治は再びナオミを許すのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1949年
製作国 日本
上映時間 89
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