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「ビルマの竪琴〈総集編〉」(1956)

【DVD発売中】

77点77
ドイツ文学者・竹山道雄の同名小説を市川崑が監督した作品。1部、2部と分けて公開された。太平洋戦争末期、ビルマからタイへ逃がれようとする井上部隊は、井上隊長以下、みな音楽好きで、特に水島上等兵の弾く竪琴は、疲れ切った隊員たちの心に滲みた。やがて戦争が終わり、井上部隊はムドンの収容所へ送られることに。水島は一人、戦争終結を信じず立てこもる日本軍の説得に派遣される。だが、彼の説得は聞き入れられず隊は全滅する……。収容所に落ち着いた井上部隊は、水島そっくりの僧とすれ違う。それは収容所に向かう途中、放置された日本兵の白骨を見て、霊を慰めることに決めた水島の姿だった。

あらすじ

一九四五年の夏、敗残の日本軍はビルマの国境を越え、タイ国へ逃れようとしていたが、その中にビルマの堅琴に似た手製の楽器に合せて、「荒城の月」を合唱する井上小隊があった。水島上等兵は竪琴の名人で、原住民に変装しては斥候の任務を果し、竪琴の音を合図に小隊を無事に進めていた。やがて、小隊は国境の近くで終戦を知り、武器を捨てた。彼らは遥か南のムドンに送られることになったが、水島だけは三角山を固守して抵抗を続ける日本軍に降伏の説得に向ったまま、消息を絶った。一方、ムドンに着いた小隊は、収容所に出入りする物売り婆さんに水島を探して貰うが生死のほども判らなかった。ある日、作業に出た小隊は青い鸚鵡を肩にのせた水島に瓜二つのビルマ僧を見掛けて声をかけるが、その僧侶は目を伏せて走り去った。水島は生きていたのである。三角山の戦闘のあと、僧侶姿の彼はムドンへ急ぐ道で数知れぬ日本兵の白骨化した死骸を見て、今は亡き同胞の霊を慰めるため、この地へとどまろうと決心した。物売り婆さんからあの僧侶の肩にとまっていた鸚鵡の弟という青い鸚鵡を譲り受けた井上隊長は「水島、いっしょに日本へ帰ろう」という言葉を熱心に教え込んだ。三日後に帰還ときまった日、隊長は物売り婆さんに弟鸚鵡をあの僧侶に渡してくれと頼んだ。すると、出発の前日になって水島が収容所の前に現われ、竪琴で「仰げば尊し」を弾いて姿を消した。あくる日、物売り婆さんが水島からの手紙と青い鸚鵡を持って来た。鸚鵡は歌うような声で「アア、ジブンハカへルワケニハイカナイ」と繰り返すのだった。それを聴く兵隊たちの眼には、涙が光っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
配給 日活
カテゴリ 人間ドラマ
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