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「馬鹿まるだし」(1964)

【DVD発売中】

76点76
山田洋次が自分のスタイルを確立するきっかけになった作品。藤原審爾の原作は、以前にも滝沢英輔監督・森繁久彌主演で「安五郎出世」という題で映画化されたが、山田洋次版「馬鹿まるだし」に先だって、同じ1964年、山田の脚本で同題名のTVドラマが作られている。シベリア帰りの風来坊・松本安五郎は、瀬戸内海の平和な町にある浄念寺に転がり込む。寺には若くて美しい未亡人・夏子がいて、安五郎はひそかに思いを寄せる。ある日、ダイナマイトを持った脱獄囚が、人質を取って山へ逃げ込んだ。安五郎は夏子にいいところを見せようと、単身助けに向かったが、ダイナマイトが爆発し失明する。盲目になった安五郎が涙を流しながら、夏子に思いを語る長回しシーンでは、ハナ肇の熱演が光る。このキャラクターは、のちに“車寅次郎“へと受け継がれる。

あらすじ

シベリヤ帰りの松本安五郎は、外地に抑留される和尚をもつ浄念寺にころがりこんだ。若くて美しい住職の妻の夏子に安五郎は秘に恋慕していた。堂々たる風貌と腕ぷしの強さで安五郎は、早くも町の人気者となった。そのきっかけは、町の劇場に出演中の怪力スーパーマンを負かした事件が、町中に広まったからだ。以来、安五郎には乾分も出来、又一軒の家を構えて、町のボスとなった。インフレの波がこの瀬戸内海の小さな町にも押しよせて来た。町の工場にも労働争議が起きた。おだてられた安五郎は、赤木会長に面談し、工員の要求を貫撤させた。ただ夏子に一言ほめてもらいたい、それが安五郎の行動の全ての動機なのだ。英雄となった安五郎の日々も、町の勢力を革新派が握ったことから急変した。何となく冷くなった町の人達の眼、そして夏子との間が噂となり浄閑寺への出入り禁止と痛手は大きかった。がある日ダイナマイトを持った脱獄囚の三人組が辰巳屋の静子を誘拐して裏山ににげた。この時人の口にのぼったのが、大力をもつ安五郎だ。人の好い安五郎は名誉挽回と裏山にゆき静子を救ったが、その足元でダイナマイトが爆発し、両眼を失った。それから二年後、唯一筋に愛しぬいた夏子の、再婚の花嫁姿を見守る、杖にすがった盲目の老人。あの気風のいい、安五郎の変り果てた姿が白木蓮の匂う浄念寺にあった。夏子の涙にぬれた眼が安五郎に優しくそそがれているのも知らぬまま……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1964年
製作国 日本
配給 松竹=松竹大船
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