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「天と地を駈ける男」(1959)

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舛田利雄監督と石原裕次郎のコンビによる航空映画の快作。大型航空機の訓練を受ける主人公のパイロットは、科学一辺倒で高圧的な講師ヘンリーと対立する。「紅の翼」で見事な航空シーンを見せた日活特撮陣が、ここでもいい仕事を見せている。

あらすじ

鉄男の勤めるAB航空はヤクザに乗取られ倒産寸前であった。飛行機を取られては一大事と折からの嵐の中をセスナで逃げだしたが、燃料が尽きて砂浜に墜落した。入院した鉄男は女医尾関慧子の厳然たる態度に完全にクワれてしまった。退院後鉄男は母花子に坐禅堂に入れられたが、母の奔走で日本空輸に入社することになった。飛行課長に紹介されて鉄男は驚いた。坐禅堂で会った尾関であったからである。また航空医学を担当するのが慧子と聞いて喜んだ。鉄男ら新人社員の猛訓練が続いた。日本空輸ではPOA航空のへンリー立花を講師として招いた。その歓迎会で鉄男はヘンリーが慧子のフィアンセと聞いてがっかりした。ヘンリーの訓練は厳しく、計器飛行の英語をわざと早口で喋り鉄男達を困らせた。科学一辺倒を論ずるへンリーに対して、日本人独特のカンを主張する鉄男達は遂にぶつかってしまった。その結果鉄男達は訓練をすてて、秋晴れの大空を飛び廻ったがこのことは尾関の情ある計らいで事なきを得た。ヘンリーと尾関を乗せてダブ機の操縦訓練中に鉄男は、ヘンリーの日本人蔑視にたまりかね命がけの錐もみをやった。重圧にヘンリーは失神、だが尾関は鉄男を力一杯殴りつけた。後で鉄男を呼び、尾関は鉄男の亡き父の教え子でありいまなお尊敬していることを語った。温情に満ちた尾関の言葉に鉄男は感激した。へンリーと慧子の結婚式の日。台風が本州を襲い夕刻には東京を通過する恐れがあった。尾関は単身ダブ機を駆って北海道に救難物資を運んでいった。帰路尾関機は盛岡上空に達した頃東京は嵐のまっただ中にあり、東北縦断の兆しを見せていた。しかし尾関は慧子の結婚式を思い東京に飛ぶことを決心した。一方羽田では皆が心配していた。慧子から尾関の眼が最近悪く時々めまいすることがあると聞かされ、鉄男は救助飛行を申し出た。がダブ機の免許を取ったばかりの鉄男に許可がおりるはずがない。飛ぶならへンリーだ。科学を信じるヘンリーは犬死は厭だと言って断った。たまりかねた鉄男は気象情報を片手にダブ機に飛び乗った。嵐の中を必死に探し廻る鉄男、やっと見つけた尾関は失明の盲目飛行をやっていた。鉄男は尾関を励ましながら誘導に成功、近くの自衛隊基地に着陸した。ウエディングドレスのまま、雨の中に立ちつくす慧子の後姿を、ヘンリーはじっと見つめていた。三日後、鉄男と慧子のしあわせを祈りながら、羽田からヘンリーは帰っていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1959年
製作国 日本
配給 日活
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