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「積木の箱」(1968)

60点60
三浦綾子の新聞連載小説を名匠・増村保造監督が映画化。姉と信じていた女と父との関係を覗き見てしまった15歳の少年の性の目覚めと自立を描く。複雑な人間関係を描き分けた演出力が見事。少年にとっての女神とも言うべき若尾文子のまろやかな美しさが印象的。

あらすじ

北海道の観光王佐々林豪一の息子一郎は、ある日、父と長姉の奈美恵が抱きあっているのを見て仰天した。実は奈美恵は、少女時代に豪一に拾われた娘で、豪一の女だったのだ。それを姉のみどりから知らされた一郎は、みどりも母トキも、妻妾同居を平然と受け入れているのに憤激し、それ以来すっかり変ってしまった。家で食事もしなくなった一郎は、毎日パンを買う店の久代の優しさに惹かれていった。久代は子供の和夫とつましく暮している女だった。一方、決活で成績のよかった一郎の変化に気づいた教師の杉浦は、家庭訪問して佐々林家の乱脈ぶりに気づき、一郎のこころの成長を気づかった。杉浦は久代に好意を持ち、一郎が久代の家を訪れるとよく談笑していた。一郎は杉浦にライバルめいた意識を持ち、久代の肌着を杉浦のロッカーに入れておくという悪戯をやったが、軽くいなされてしまった。一郎はみどりに、奈美恵を父から奪うと宣言したが、それから間もなく、挑発する奈美恵を抱いた。そして、彼女に二度と父と寝ないと約束させたのだ。しかし、豪一と奈美恵の部屋は仕掛けドアでつながっていた。その事実を知った一郎が詰問すると、奈美恵は久代もまた豪一の女だという。久代に詰め寄る一郎は、久代が豪一の秘書だった頃暴行を受け、和夫を生んだことを知った。豪一の獣のような数々の振舞いに、一郎はナイフを手にして父に迫った。だが、もちろん刺せなかった。その夜、一郎は父の名を汚すため、学校に放火した。宿直の杉浦は、現場に落ちていた帽子から、犯人が一郎だと知ったが、責任をとって辞職した。豪一も一郎の仕業と察してあくまで否認するよう、厳命した。だが、みどりは一郎に自白するように言い、虚飾にみちた佐々林家から出ていった。一郎は、当夜杉浦の許にいて火傷した和夫を見て、さすがに良心の呵責に駆られた。そして、豪一の面前で警察へ自白の電話をするのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1968年
製作国 日本
配給 大映東京
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