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「人生劇場 飛車角と吉良常」(1968)

【DVD発売中】

74点74
1936年に「人生劇場(青春編)」を映画化し、成功させた日活で足場を固めた内田は、以後名作・力作を続けて送り出し、日本を代表する監督の一人になっていくが、今回は原作の第3部にあたる「残侠編」を中心とした映画化。当時、隆盛をきわめていた東映任侠ヤクザ映画の1本として企画されたものを、内田は情感あふれる格調ある作品に仕上げた。ラストの殴り込みのシーンは、東映ヤクザ映画のセオリーだが、脇役に至るまで魅力的な登場人物を配し、出演者の個性を生かした演出で巨匠の本領を見せつけた。

あらすじ

大正十四年。八年ぶりに上海から故郷に戻った吉良常は、亡き主人青成瓢太郎の子瓢吉を尋ね、東京に出た。瓢吉は文士になるため勉強していたが、中学時代の恩師黒馬と同居していた。吉良常も瓢吉の家に腰をおろすことになった。その頃、砂村の小金一家と貸元大横田の間にひと悶着が起った。飛車角が大横田がやっているチャブ女おとよを足抜きさせ、小金一家に匿ったからである。飛車角は宮川や小金らと殴り込みに加わり、大横田の身内丈徳を斬って勝利を収めた。しかし、飛車角は兄弟分の奈良平が裏切っておとよを連れ出したことから、奈良平を斬った。そのため飛車角は巡査に追われ、瓢吉の家に逃げ込んだのだった。吉良常はすぐさま何が起ったかを悟り、静かに飛車角に自首を勧めた。自首する直前、飛車角はおとよに会い、小金と大横田が手打ちになったのを知った。しかし、おとよはそのまま行方をくらましたのである。四年の歳月が流れた。宮川は玉ノ井の女に惚れ、毎日通っていた。宮川の知らないことだったが、それはおとよだった。仲間はそれと知って忠告した。小金一家にとって飛車角は大恩人なのだ。しかし、おとよに惚れ込んだ宮川は二人で逃げようとしていた。一方、吉良常はおとよに、飛車角に面会に行くよう勧めた。だが、おとよの心はもう飛車角にはなかったのだ。苦悩するおとよは、瓢吉の青春の想い出となったお袖と共に姿をくらました。やがて飛車角が特赦で出所した。すでに小金は病気で世を去り、丈徳の跡目を継いだデカ虎に寺兼も殺されていた。そのころ瓢吉は懸賞小説に当選し、大陸に渡ることになった。吉良常は、瓢吉が男として名を上げるまで墓は建てるな、と遺言して自殺した瓢太郎のために、今こそ墓を建てる時だと思って飛車角と共に吉良港に発った。飛車角はそこで、おとよと再会、ともに昔を偲んだのだが、時の流れに離ればなれになったお互いの気持ちを、どうすることも出来なかった。故郷に戻った吉良常は長年の疲れで病床に伏し、やがて瓢太郎かたみのピストルを銀杏の梢に向けて撃ちつづけながら、その生涯を閉じたのだった。その折り、飛車角を丈徳の仇を狙うデカ虎、そのデカ虎を狙う宮川も吉良港にやってきた。宮川は単身、デカ虎が草鞋を脱いだ杉源一家に殴り込みをかけ、全身を斬りきざまれながら果てた。そのことを知った飛車角は杉源一家とデカ虎と渡りあい宮川の仇を討ったのだった。飛車角は宮川の死体をおとよに託すとただ一人、吉良港を去って行った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1968年
製作国 日本
配給 東映=東映東京
上映時間 109
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