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「仁義なき戦い」(1973)

【DVD発売中】

78点78
“仁義なき戦い“シリーズの第1作で、シリーズ化は撮影直前に決定された。このため最初、菅原文太は本作で殺される坂井役に決まりかけていたが、急きょ広能昌三役へと変更になった。深作はそれまでも実録タッチのヤクザものを何本か作り、暴力の世界に生きる若者の激烈な青春像を戦後史を絡めて描いてきたが、本シリーズはその集大成といえるだろう。敗戦直後の広島県・呉市。戦争から復員してきた広能はヤクザのいざこざに手を貸して殺人を犯し、刑務所に服役する。広能はそこで土居組の若杉と知り合い、盃を交わす。山守に保釈金を出してもらって出所した広能は、やがて山守組の組員となる。山守は次第に勢力を伸ばし、土居組との間で抗争事件が起こる。広能は土居を殺し、再び刑務所に戻る。その間、山守組では組員の坂井が勢力を伸ばし、内部抗争が激化していた。荒々しい手持ちカメラで撮られた暴力描写とともに、テーマ音楽もドラマを盛り立てている。

あらすじ

終戦直後の呉。復員後遊び人の群れに身を投じていた広能昌三は、その度胸と気っぷの良さが山守組々長・山守義雄の目にとまり、山守組の身内となった。当時の呉には土居組、上田組など四つの主要な組があったが、山守組はまだ微々たる勢力にしかすぎなかった。そこで山守は上田組と手を結ぶことに成功し、当面の敵、土居組との抗争に全力を注ぐ。その土居組では組長の土居清と若頭・若杉が仲が悪く、事あるごとに対立し、とうとう若杉は破門されてしまった。そして、若杉は以前からの知り合いである広能を通じて山守組へと接近していった。若杉の山守組加入で、土居殺害の計画は一気に運ばれた。広能は土居殺害を名乗り出た若杉を押し止どめ、自ら土居を襲撃し、暗殺に成功。ところがそれ以来、山守の広能に対する態度が一変し、組の邪魔者扱いにするようになり、広能は結局自主して出るのだった。その態度に怒った若杉が、山守の若い衆を殺害したことから、警察に追われ、激しい銃撃戦の後、殺された。その間にも、土居組の崩壊と反比例して、山守組は増々勢力を伸ばしていった。しかし、その組の中でも、主流派の坂井鉄也と、反主流派の有田俊雄という二つの派閥が生まれ、山守を無視しての内戦が始まっていた。まず、市会議員・金丸と、土居組の残党を味方に引き入れ勢いづいた有田は、坂井の舎弟山方、兄弟分上田を殺害した。激怒した坂井は有田を破門するとともに、報復に出た。次々と射殺される有田一派、ついに血で血を流す凄惨な抗争車件に発展してしまった。そして、警察の出動により有田は逮捕、兄貴分の新開は殺された……。勝ち残った坂井は、広島の海渡組と手を組み、山守に替って呉を支配するかのように振るまうようになった。やがて今ままでの内戦を黙視していた山守の巻き返しが始まった。山守は、丁度その時仮釈放で出所した広能に坂井暗殺を捉した。冷酷な山守の魂胆を見抜いている広能は、微妙な立場に立たされた。山守に従う気はないが、そうかと言って坂井に手を貸す気もなかった。そんな時、矢野組々長・矢野修司が坂井と海渡組の手を切るぺく画策中に殺された。山守の恐るぺき執念がついに実行される。殺気立っていた矢野組々員をけしかけ坂井を襲撃させたのである。坂井は血だるまになるまで銃弾を受けた。翌日、坂井の葬儀が盛大に行われた。広能はかつて憧れたやくざ社会に虚しさと怒りを抱きながら無傷の喪主山守の前を去っていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1973年
製作国 日本
配給 東映=東映京都
上映時間 99
映倫 R15+
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