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「七人の侍」(1954)

【DVD発売中】

86点86
日本の時代劇に西部劇の面白さを取り入れ、黒澤流のヒューマニズムを盛り込んだ黒澤映画の最高峰。その後、「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画をお手本にした作品が続出した。志村喬演ずる勘兵衛が泥棒を斬るシーンでスローモーションが使われているが、これにヒントを得たサム・ペキンパーがアクション場面でこの手法を引用したことは有名な逸話。戦国時代、野武士が野盗化していた頃。貧しい農村の百姓たちが、野盗から村を守るため、侍を雇うことにする。食うことにも窮する侍7人が集まり、百姓たちにも竹槍による即成の軍事訓練を始めさせる。そしてついに野武士の群れが全力を上げて村に攻撃をしかけてきた……。早坂文雄作曲の『侍のテーマ』が実に印象的に使われており、次に展開するドラマへの期待感を盛り上げる。無口なサムライの久蔵を演じた宮口精二は、それまで剣道を1度もやったことがなかったが、この映画の中では日本一の剣豪に見えるから不思議だ。映画のマジックといえるだろう。

あらすじ

麦の刈入れが終る頃、野伏せりがやって来る。去年襲われた村人は恐怖におののいた。闘っても勝目はないし、負ければ村中皆殺しだ。村を守るには侍を傭うことだ、長老儀作の決断によって茂助、利吉等は侍探しに出発した。智勇を備えた歴戦の古豪勘兵衛の協力で五郎兵衛、久蔵、平八、七郎次、勝四郎が選ばれた。菊千代は家族を野武士に皆殺しにされた百姓の孤児で野性そのままの男である。村人は特に不安を感じていたが、菊千代の行動によってだんだん理解が生れていった。村の防衛体勢は整えられ戦闘訓練が始った。刈入れが終ると野武士の襲撃が始り、物見の三人を久蔵、菊千代が倒した。利吉の案内で久蔵、菊千代、平八が夜討を決行し火をかけた。山塞には野武士に奪われた利吉の恋女房が居た。彼女は利吉の顔を見ると泣声をあげて燃える火の中に身を投じた。この夜敵十人を斬ったが、平八は種カ島に倒れた。夜が明けると野武士は村を襲って来た。侍を中心に百姓も鍬や丸太を持って村を死守した。美しい村の娘志乃は男装をさせられていたが、勝四郎にその秘密を知られ二人の間には恋が芽生えた。決戦の前夜、志乃は勝四郎を納屋に誘い二人の体はもつれ合って藁の中へ倒れた。翌朝、十三騎に減った野武士の一団が雨の中を村になだれこんだ。斬り込んだ侍達と百姓達は死物狂いで闘い、久蔵、五郎兵衛が倒れた。怒りに燃えた菊千代は最後の一人を屋根に追いつめたが、敵の弾をうけ、差しちがえて討死した。野武士は全滅した。しかし百姓も数人倒れ、七人の侍の中四人が死んだ。新しい土鰻頭の前に立った勘兵衛、七郎次、勝四郎は、六月の爽やかな風の中で働いている百姓達を静かに眺めた。志乃も何かを振り捨てるように大声で田植唄をうたっていた。「勝ったのはあの百姓達だ。わし達ではない。」田の面をみながら勘兵衛がつぶやいた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1954年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 207
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