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「プレーム兄貴、王になる(『プレーム兄貴、お城へ行く』)」(2015)

プレーム兄貴、お城が来る

80点80点   2020/3/19 00:00 by くりふ

4年前のIFFJ上映を見逃して以来、やっと会えた(笑)。まずは良作で、こんなインド映画がもっと入ってきてほしいもの。何度か、涙腺やられたが、インド映画は日本映画と違い、まず琴線ふるわせて来るから、涙腺へのひび入りが防げなくなる。本作では決壊まではなかったものの、たいへん善き心の汗を、ほろり滲ませ堪能できました。

弱いと感じたのは、男兄弟の確執に関して。そもそも恨みがペラい感じだし終盤、決着に向かう展開で急に、物語が足踏みする。で、結局…暴力なんだよね。やっぱり男ってダメだと思ったわ(笑)。

王女と、女兄弟とのドラマは巧みで、特に、“蹴球の宴”を境にぐんぐん面白くなる!女優さんも皆、うまいよね。ヒロインのソーナムさんは、スリム過ぎてちょっと、好みから外れるのだけれど、見た中では本作が一番、美しいと思った。メイクさんもうまいよねえ(笑)。

“蹴球の宴”に至るまでがノロリで現代映画のテンポか?と訝ったが、スーラジ監督はそもそも90年代に、いわゆるボリウッド映画と呼ばれる型を作った一人、なのですね。そのスタイルをただ貫いており、ノロリだけどオモシロイ、である訳が後で少し、わかった気がしました。

サルマンは、はじめ石原軍団の一人がバカやってるみたいな、マッチョオヤジな違和感があったが、受けの芝居に入ってからが、鈍く輝き始めた。これで、家族不在の孤独がより立ったら、涙腺決壊だった。

性善/性悪説の二元化に堕ちず、ひとは悪から善への諧調どこかに居るということ。そのグラデを感じるキャラづくりが優しい。だから逆に、若干残ったグラデなし悪役が勿体ない。

舞台は現代だから、王家といってもナンチャッテですよね。逆に大人のお伽噺として飛ばしやすかったのでは。観客にぶつける感情が、この舞台だからこそ優雅に際立つ。光かな。常に光が豊かなのですね。

このラストから続く、『プレーム兄貴、またお城へ行く』も見てみたい。

それなりに楽しめた

インド版 王になった男