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「雁の寺」(1962)

Summer memories of Kyoto

60点60点   2020/3/27 00:00 by デニロ

水上勉原作。舟橋和郎脚色。川島雄三監督。1962年の作品。

水上勉らしいお寺さんの話。仏教の戒律も何のその、若尾文子の誘うような色香に血迷った三島雅夫の耽溺ぶりが凄まじい。その情事を覗き見るのが小坊主高見国一。高見国一の生い立ちを謎めかせているのだが、若尾文子は自らの境遇と重ね合わせその熟れた女体を思春期の性に貪らせる。

その後の高見国一の感情と行動が良く分からぬままに物語は進行する。若尾文子の手ほどきを受け僧として忸怩たる思いにかられたのか、性に目覚めたのか。三島雅夫から若尾文子を解き放とうとしようとしたのか、若尾文子をひとり占めしようとしたのか。

ラスト。襖に描かれた雁が破かれているのを見て「雁がいいひん、雁がいいひん、」と慄く若尾文子もわたしには謎なのです。

二人を墓地に並べて立た...