「ミステリー・トレイン」(1989)

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71点71
「ダウン・バイ・ロー」から3年ぶりに発表したジャームッシュの作品。舞台は、ロックンロールが誕生し、プレスリーがデビューし、今でもエルヴィス神話が生き続いているアメリカ・テネシー州のメンフィス。映画は、この町のアーケード・ホテルに泊まる3組のストレンジャーが体験する一夜を『ファー・フロム・ヨコハマ』『ア・ゴースト』『ロスト・イン・スペース』と名付けた3話のエピソードの中に描いて、一種のオムニバスになっている。ユーモアと優しさが詩情豊かに描かれているこの作品は、1989年カンヌ映画祭で“ジャームッシュの新境地“と絶賛された。

あらすじ

l台のウォークマンを2本のイヤホンで聞くミツコ(工藤夕貴)とジュン(永瀬正敏)を乗せた汽車がメンフィス駅についた。 <ファー・フロム・ヨコハマ>駅に降り立った2人はエルヴィスのグレースランドに行くか、カール・パーキンスらが録音したサン・スタジオに行くか口論する。結局ジュンが折れてミツコの希望するグレースランドに向かうが、たどり着いたのはサン・スタジオだった。2人はアーケード・ホテルに泊まることになり、ミツコはベルボーイ(サンキ・リー)に日本のプラムをプレゼントする。深夜、夜汽車を見ていたジュンはミツコと愛しあう。そしてラジオから流れるエルヴィスの『ブルー・ムーン』。翌朝荷作りをする2人の耳に銃声がこだまする。しかし彼らは驚くことなく、そっと部屋を去る。 <ア・ゴースト>メンフィス空港。遺体引き取りの書類にサインするイタリア女性ルイーザ(ニコレッタ・ブラスキ)は、飛行機の座席をとれず街に出る。1軒だけ開いていた雑誌店の男(サイ・リチャードソン)にありとあらゆる雑誌を売りつけられたルイーザは、アーケード・レストランで時間つぶしをしているところヘエルヴィスの幽霊の話をする男(トミー・ヌーナン)にからまれ金を巻き上げられる。アーケード・ホテルにたどり着いたルイーザは、そこでナイトクラーク(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)とベルボーイから宿泊を断わられているディディ(エリザベス・ブラッコ)と出会い、彼女と相部部で泊まることにする。ディディは恋人や兄と別れ、メンフィスを去る決意をしていた。ルイーザが夜汽車を眺め、『ブルー・ムーン』を聴いた後、エルヴィスの幽霊(スティーブン・ジョーンズ)が部屋に現われる。翌朝部屋を出る2人の耳に、1発の銃声が響いた。 ロスト・イン・スペース>黒人のたまり場の酒場ジェイズで、愛するディディに見放されたエルヴィスと呼ばれるイギリス人ジョニー(ジョー・ストラマー)が荒れていた。友人のウィル・ロビンソン(リック・アーヴァイルス)は、彼の義兄になる床屋のチャーリー(スティーヴ・ブーシャーミ)を呼びジョニーを送り出すが、途中立ち寄った酒場で、ジョニーが酒屋の店主(ロケッツ・レッドグレア)を撃ってしまう。行き場を失った3人は、ウィルの義兄がナイトクラークをしているアーケード・ホテルで夜を過ごす。酔いの中で、ジョニーはエディの白人差別に抗議する。またチャーリーは、ジョニーとディディが実は結婚していなかったことを知らされあきれる。翌朝、銃で自殺しようとしているジョニーを止めようとしたチャーリーの太腿を銃弾が貫いた−−。ミツコとジュンの乗るミステリー・トレインにディディが乗り込んでくる。ルイーザは空港へと急いでいた。チャーリーを乗せたバンがパトカーに追われている。隣州へ向かおうとしているウィルとジョニーが運転したそのバンが、ミステリー・トレインと併走する。 【キネマ旬報データベースより】
原題 MYSTERY TRAIN
製作年 1989年
製作国
配給 フランス映画社
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