「ひき逃げファミリー」(1992)

【DVD発売中】

60点60
ひき逃げ事故を起こした中堅サラリーマンとその家族が、ふだんの不響和音もなんのその証拠いん滅のために一致団結し、自宅の居間で自家用車を解体するハメになる……という奇想天外なドラマ。「視姦白昼夢」などで知られるピンクの鬼才・水谷俊之が、初めて一般向け劇場用映画を監督したもの。中尾ミエが、いざという時にふんばる“日本の母“を体現するほか、シンボリックな家族たちの設定が心憎い。シチュエーション・コメディにこだわるあまり中盤もたつくのは残念だが、全体として手堅くまとまっているのはやはり監督の力量であろう。

あらすじ

休日の夜、接待ゴルフ帰りで疲れていた元村裕史は大雨の中誤って女性を轢いてしまった。動揺した彼はいったん家に戻って自首を決意するが、そうなれば家族がバラバラになってしまうと妻の葉子は反対し、証拠となる車を居間の中に運び解体作業を行い始めた。だが倦怠期にある夫婦をはじめ当の家族は、長女のあずさは勤め先の結婚式場の上司と不倫中、長男の陸王は登校拒否、父親の義一郎はボケ老人という有り様だった。陸王がゴルフクラブを振り回して暴れたり、あずさが家出しては恋に破れてまた戻ってきたり、不倫の相手の上条隆義が酔って家に押しかけたりと様々なトラブルに見舞われながらも、妻は車の解体に情熱を燃やす。やがて義一郎や、そんな姿にうたれた子供たちが一緒になって手伝うようになった。ただひとり裕史だけが罪悪感にさいなまれ続け、とうとう会社に辞表を送り、警察に出頭するが、その時真犯人が別にいて逮捕されたことが分かる。一方家では向かいに住む詮索好きの原沢サダに部屋に忍びこまれ、彼女を捕まえていた。家に戻った裕史はそれを見て呆然とするが、もう車を解体しなくていいという彼の声も届かないままサダの夫が乗りこむうち、火がガソリンに引火して家は大火事に。その中を、ほとんど解体されかかった車に一家は乗り、逃げてゆく……。そうして廃車置場で車を修理し、家族揃ってどこかへ旅立っていくのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1992年
製作国 日本
配給 キティフィルム=サントリー
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