「はるか、ノスタルジィ」(1992)

【DVD発売中】

74点74
青春時代を過ごした北海道、小樽を10年振りに訪れた人気少女小説家の綾瀬は、そこで自分のファンだという少女、はるかと出会う。彼女の案内で、現在の小樽を巡り始める綾瀬。そんな二人の前に、やがて高校生時代の綾瀬が姿を現したことから、彼は忌しい昔の記憶を呼び覚ます。3人で過去の記憶をたどるうち、綾瀬は次第に純真な心を取り戻して……。忘れていた自分の過去と対峙することになった中年男の心の葛藤を、幻想的に描いた好編。「転校生」「さびしんぼう」を手掛けた大林宣彦監督、山中恒原作のコンビによる詩情豊かな傑作ファンタジーだ。「ふたり」で大林と組んだ石田ひかりが、さわやかな演技で二役をこなしている。

あらすじ

綾瀬慎介(勝野洋)はリトル文庫〈小樽・恋シリーズ〉と呼ばれる一連の少女小説の人気作家であったが、コンビを組んでいた友人の挿絵画家・紀宮(ベンガル)の突然の死をきっかけに、少年期のある忌まわしい記憶から逃れるようにして訪れることのなかった小樽の地を十数年ぶりに踏んだ。そこで慎介は、はるか(石田ひかり)という彼の小説のファンの少女に出会い、彼女の案内で現在の小樽を訪ねるが、二人の行く手には影のようにつきまとう古風な服装の少年がいた。ある日、つきまとっていた少年は二人の前に現れ、佐藤弘(松田洋治)と名乗る。それは慎介の本名であった。彼は高校時代の自分自身だったのだ。弘によって慎介は、高校時代に三好遥子という少女が好きだったこと、全く売れない作家だった父・統策のこと、娼婦として働いていた母のことなどを思い出し、三人は慎介の失われた過去の記憶と対峙する心の旅を続けていく。娼家から出た遥子を目撃した弘は、彼女に確かめることもなくただ一度きりの関係の際に『売女』となじったのだった……。そしてまた、はるかも自分が三好遥子の娘であることを知る。互いの気持ちを確認し、慎介とはるかは一度きり結ばれる……。現代にやって来た高校時代の弘は、また自分の時代へ戻っていく。そうして慎介は、今こそ本名の佐藤弘として生きていくのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1992年
製作国 日本
配給 ピー・エス・シー=ギャラック・プレミアム
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